【第450話】経営の現実分析が未来を拓く

「昨年度決算が出ました。目標を上回る売上〇〇を出せました」と、何とも嬉しいメッセージが届きました。

 

新戦略プロジェクトでこの目標を立てたのが2016年のこと。ですから、6年越しで目標を達成されたことになります。

 

6年が長かったのか短かったのか、遅かったのか早かったのか…には色々な判断があろうかと思われます。

 

しかし、こちらの経営者、実に見事にこの6年、乱世の中で独自の歩みを進めました。そして、今は…ご自身で道を切り拓いてきた自信から経営者としての“風格”を身にまとうまでになっておられます。

 

簡単そうに聞こえますが、税理士さんや銀行さん、業界や地域からも信頼され、一目置かれるような存在になるというのは、ある意味、経営者としての大目標といえることでしょう。

 

ちなみに、「経営者が背負う重荷は3年単位で考えよ」と言われます。

 

実際、前述の6年も、商品企画力と顧客開拓力、大きく2つの成長過程を登ってこられています。それぞれ3年、やるべきことをしっかりとやってきたことで、この6年で目標が達成されています。

 

例え今はできなかったとしても、3年後にはできるようになってやる…。ちなみに、こうした「目標設定3年論」というのは、特に、企画開発型、需要創造型の経営者に共通する認識です。

 

その理由はシンプルです。この目標設定、経営計画が「今よりも難しいことへの挑戦表明」になっているということです。

 

大切なことなので補足すれば、今のレベルのまま横に拡げる…量的な視点も欠かせないのですが、今よりも上に昇る…質的な視点が計画の中心になっているということです。

 

常々、「売上よりも利益」とお伝えしているのも同様です。まずは商品サービスの付加価値を高めて(質的)、それから販売を拡大する(量的)手順が大切です。

 

少し話はそれましたが、3年後の成長した自社の姿を描く、そうした未来進行形の計画を立てるためには大切な起点があります。

 

それは、自社の“現実”を起点にする…ということです。世の中の“現状”を分析するよりも、自社、自分の“現実”を見ようとすることです。

 

ちょっと考えれば分かることですが、未来の在りたい姿だけを描いたところで、それは計画と呼べるものにはなり得ません。高い目標は具体的であってこそ意味を持ちます。

 

それならば、目標設定で具体的とは何かといえば、現実を起点とした目標設定だということです。自分の現実を起点として、その先の成長の到達点を掲げようとするものです。

 

高いだけの目標は夢でしかありません。社会的意義といったことに話をすり替えて、誰かが自分の過ごしやすい未来を作ってくれると願っても仕方ありません。

 

自分の現実を見つめ、かといって否定もせず、この現実を起点に未来への成長、3年後…を描くのです。

 

経営者人生は短いものです。誰かが掲げた目標に「私も取り組みます」、「小さいことから、できることから…」などと言っている場合ではありません。

 

自分のビジネスをやるのです。ご自身の道を歩むのです。そのために自分で目標を掲げるのです。今起点で3年後の未来を描く。それが優れた経営計画の目標設定です。

 

現状よりも現実、周りよりも自分、どんな世の中を望むかの前に、自分の成長努力を具体的に掲げていく未来進行形の目標設定が大切です。

 

お送りいただいたメッセージの最後はこうでした。「今後も、新たな一手を考えて商売をしていきます」と。新たな一手、次の3年が楽しみで仕方ありません。

 

御社の目標は具体的ですか?

現実を起点に、高い目標を掲げていますか?

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