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弊社代表の宮口による経営者応援コラム『蒼天記』です。

『蒼天記』は、日頃のコンサルティングの現場で気になるテーマについて、経営者の方々のお役に立てばとの視点から書き下ろすよう心がけております。

皆様の経営の成長拡大、一層の飛躍に向けたヒント、気づきになりますと幸いです。ぜひご一読ください。

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【第240話】高収益と独自成長をもたらす価値経営の原理原則

AI、IoT、ビッグデータ、ブロックチェーン、ロボット、バイオ…。仕事柄、様々な事業アイデアをお聞きします。どれも先端的で大変に面白いものです。

 

ビジネスのベースとなる技術、テクノロジーは日進月歩ですから、どういった技術が普及するのか、その進歩がどのような未来をもたらすのか、そして、そこからどういったビジネスが生まれるのか…といった議論は、ビジネスの可能性を見出すとても楽しい時間です。

 

一方で、テクノロジー的には、良く言えば伝統的な企業であっても、誠実な経営姿勢と製品サービスで、お客様から絶大な信頼を得て、実直に成長されている企業もあります。

 

こういった実直な成長には共通するところがあります。それは、「技術・能力をお客様のために応用する力に長けている」という点です。

 

例えば、生産能力に長けているために、競合他社よりも短納期を実現していて「お急ぎ」のお客様から喜ばれていたり、特定の仕様範囲であれば金型不要で部品を製造できることで金型の製造と保管が必要ない「お手軽」を喜んでいただいたり、材料在庫を豊富に抱え24時間生産を行うことで「お困り」にお応えしていたりします。

 

ここで大切なことは、事業が独自の成長を歩むというのは、新しい技術、高い能力…といったこともさることながら、もっと大切な要素があるということです。

 

それが「応用」であり、その「応用」から付加価値が生まれるのだということについて、しっかりと心しておくことが大切です。

 

仮に、新しい技術、高い能力…、をそのままサービスとして売れば、最初のうちは、希少性から売れたとしても、他社が追い付くとどうなるか。その技術・能力はコモディティ化して、例え売れたとしても収益性は劇的に落ち込むことは容易に想像できることです。

 

大切なことなので繰り返しお伝えしますが、どれほど新しい技術、高い能力を持っていたとしても、それをお客様のために「応用」できない限り、そのビジネスは能力売りの請負代行業であって、その売上は付加価値の要素を含まない労働力の現金化でしかありません。

 

かの有名なSONYの設立趣意書の中で、井深大氏は「応用価値」という言葉で商品製品化を説明しています。様々な研究成果や技術・テクノロジーを「応用」してお客様の「価値」に転換する。ここに付加価値が生まれ、高収益の素があるのです。

 

大変すばらしい研究成果を事業化したい、といったご相談にあって、その技術の研究者でも、商売になり得る具体的な「応用」が見えている人は稀です。その証拠に、見せていただく事業計画書は、大抵の場合、技術の進歩発展がまとめられた「研究成果報告書」でしかなく、その応用・活用については、「様々な可能性」が最後に列挙されていたりします。

 

また、製品メーカーにあっても、研究開発部門の技術者が書いた新製品のパンフレットもまた「研究成果報告書」であって、その最後に、いくつかの使い方、応用例が示されていたりするものです。

 

実のところ、新しい技術、高い能力をビジネスに仕上げるというのは、とても大変なことです。その理由は簡単です。「応用」の可能性が広すぎたり、逆に「応用」が利きにくくて、お客様からすれば“帯に短し襷に長し”になってしまうからです。

 

モノづくり企業、エンジニアリング企業…、こういった技術を中心とした企業の新事業立ち上げ失敗の構図は応用不足にあります。技術・能力、あるいは設備といったことを提供できる時点で、「商売になる」と考えていることにあります。

 

応用とは、技術・能力を、お客様の「価値」に転換することです。そして、その「価値」というのは、新製品・新サービスのスペックのようなものではないということです。製品スペックのような目に見える部分は「価格」に、顧客心情のような目に見えない部分が「価値」につながっています。

 

これを逆からいえば、「目に見えてしまえば価格勝負、目に見えないから価値勝負」なのです。見えているのであれば、それは「価値」ではないのです。

 

ビジネスの独自性とは、スペックの違いではなく「価値」の切り口の違いです。しっかりと価値商売をして高収益を実現していくためには、目には見えない部分、「価値」を市場として見出さなければなりません。そして、その「価値」を生み出すのは、自社の技術・能力自体ではなく、それを「応用」する先にあることをお忘れなく。

 

技術・能力をお客様のために「応用」しようとしていますか?

目には見えないところ、「価値」に訴求していますか?

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