【第74話】新事業構築で押さえておきたいIRRの上手な使い方

御社では事業投資にあたり、何らかの基準を設けていますでしょうか?

 

弊社では、新事業構築にあたり投資のIRRが20%超になるように事業構造を設計しませんか、とお伝えしています。

 

IRR20%超、そんな高いのムリでしょ。。。とお感じになられた方も多いのではないでしょうか。でも、目指すべきなのです。

 

IRRとは投資の内部収益率、Internal Rate of Returnの頭文字です。

 

設備投資の場合、その設備を複数年に渡って使用することで事業を行っていきますので、投資の利益率も単年度ではなく対象となる期間に渡って考える事が必要になります。よって、その複数年に渡る事業の利回りを複利で表したのがIRRということです。

 

事業を行うにあたり、設備が必要で初期投資がかさむ事業というのは厄介です。その設備を持っているということが強みになる一方、事業から撤退できないという足かせにもなり得ます。特に、投資の多くを借入で賄っている場合はなおさらです。

 

設備が無いと事業が行えない、設備投資して事業を拡大したい。。。是非、進めていただきたいのです。

 

ところが、この段階で、進めるべき事業計画と、まだ進めるべきでない事業計画とは、とてもハッキリと分かれます。

 

その理由。。。本質的に利益を生む能力やコンセプトがあった上で、設備を手段と見なしているか。。。あるいは、設備に頼ってしまって本質的な付加価値の源泉に対する工夫努力を怠っているか。。。の違いです。

 

いつもの例え話を一つ。ディズニーランドの山や岩が本物では無い事は誰でも分かっていることです。この山や岩を本物の土砂や岩で作ったという理由で、パークチケットを値上げすることができるでしょうか?ということです。

 

ディズニーランドの利益の源泉は独自の世界観、アミューズメント性に由来するのであって、そこにある設備はその世界観を表現する手段でしかありません。ですから、本物の山や岩である必要はないのです。

 

事業において本質的に利益をもたらす部分とは、人間の創意工夫によるものです。「設備がありさえすればできる事業」のままで高収益を生み出す事など期待できません。

 

「この設備さえあれば、○○の受注ができるようになります」というご相談は、一見ごもっともな主張に聞こえますが、設備投資をして売上は増えたとしても、新たな設備費負担によりむしろ利益は圧迫されていくでしょう。

 

設備投資が利益を生むのではありません。設備を使って何をやるか、どうやるかで利益に違いが生まれるのです。

 

こういった考え方を踏まえて、事業構築・シミュレーションの段階でIRR20%超を目指そうとすると、大きく二つの視点で事業を整え直す必要が出てきます。

 

まずは、初期投資の“劇的な”抑制です。初期投資を抑えたからといって必ずしもIRRが上がる訳ではありませんが、構造的に上げやすくなります。

 

本当に自分で持つ以外に方法は無いのか、段階的に投資していく方法は無いのか、一考に値します。

 

ここで本当にお伝えしたいのは、事業のスタートをソフトがリードした形で迎えましょう、ということです。ハードに依存した事業構築という古い発想は絶対に捨てましょう。

 

二つ目が製販の分離度です。今の世の中、販売の仕組みは津々浦々くまなく張り巡らされています。新たに構築するよりも既存のチャネルに乗せられるならば、その方が立ち上がりは早くなります。その後、直販とのバランスを図っていけばよいでしょう。

 

このように、IRR20%超を達成しようとすると、事業構築の根本的な部分で再考を余儀なくされます。ですが同時に、IRR20%超のエクセルシートを見れば、そこには夢のような世界が広がっていることにも気づくはずです。

 

御社の新事業はソフトリードになっていますか?

見栄を捨て“実”を取る選択ができていますか?

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