【第22話】売上を育てるのが上手い人の共通点

商売をするというのはなかなか大変な事です。だからこそ、最初の売上は何とも愛おしいものだったのではないでしょうか。

 

そして、売上を育てていくというのは更に大変な事です。しかし、この流れをとてもスムーズに、意図も簡単にこなしているかのような人が居るものです。センスが良いとしか言いようのないような。。。

 

こういった商売が上手い人のお話をお聞きしていると、事業展開の核にとてもオリジナルな発想があります。こういったオリジナルな事業展開イメージを培っているからこそ、売上を育てていけるのだという事は分かります。無論、経営経験を通じて培ったものなのですが、それだけではない他の人との違いを感じます。

 

なぜ、このようなオリジナルな発想に至ることができたのか。。。といったことを考えたくなるのがコンサルタントの性分です。まず、こういった方々は概して人の話を良く聞きます。そして、不思議なくらいに明るく過去の失敗を反省します。

 

しかし、こういった性格的な部分ですと再現性が低いため、これではアドバイスになりませんので、もう少し共通点を分かりやすく整理してみたいと思います。

 

商売を組み立てていく、育てていくために必要な準備は大きく二つのステップから成っています。

 

まず、絶対的に必要なのが物理面の準備です。商品・サービス、工場、設備、店舗、什器、スタッフ、仕入先、販売代理店、業務システム。。。物理的なモノなので、外からでも目に見える商売のカタチです。

 

この物理面の準備段階で、成否を分ける一つ目の分水嶺があります。それは“売りモノ”と“売り方”の両方が一緒にでき上がっているか、という点です。

 

製造業ですと売りモノを作ってから売り方を考えようとしますし、流通業ですと売り方を考えてから売りモノを考えようとします。業種業態によって考え方の傾向はありますが、どちらか一方だけでは勝ち目はありません。

 

売りモノや売り方を考える目的はビジネスを構築することなはずです。にもかかわらず、現実にこういった状況をお見受けします。

 

商売上手な人は売りモノと売り方を行き来しながら両方を一緒に考えています。今の時代、売りモノは売り方によって変わるので、この行ったり来たりの摺り合わせ過程がとても重要なのです。

 

さらに、商売上手な人の共通点。それは頭の中でビジネスがしっかりと出来上がっているという点です。すなわち、物理面での準備に留まらず精神面での準備が整っているのです。

 

テニスに例えれば、コートとラケットとボールと選手といった物理的な準備が整えば試合はできるかもしれませんが、高い勝算は期待できません。大切なのは試合運び。自分の強みを活かした組み立て、いわゆるプレースメントです。

 

強い選手は試合中に微調整はするものの、予め自分の戦い方という軸を持っています。これは、過去の試合経験や練習を通じて培ったものでもありますが、それだけではありません。彼ら彼女らは頭の中で戦い方を徹底的にシミュレーションしているのです。

 

ビジネスは動態的です。物理的な条件が整っただけでは不十分で、それらを動きの中で捉えていくことが絶対的に必要なのです。

 

ビジネスを動態的に捉えて考え抜き、しっかりとシミュレーションしている方は、お話を聞けばすぐに分かります。ビジネスの動き、展開でお話をされるからです。そして、これら物理的な動態に付随して、どのようにお金が動くかについてもしっかりと言及されます。

 

一方、シミュレーションが不十分な方は、商品が、お店が、Webが。。。物理面を単品でお話されます。そして、こういった方は資金面には想いが全く至っていないというのが通例です。こんな状況で売上を育てていけるはずが無い訳で、決定的にシミュレーション不足と言わざるを得ません。

 

御社の新事業準備は売りモノと売り方の双方を視野に入れて検討していますか?

儲けのイメージが見えてくるほど徹底的にシミュレーションしていますか?

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