【第97話】高収益な事業を構築するために欠かせない思考軸

高収益を実現されている経営には共通点があります。それは法則性といってよいほどの共通点です。

 

ここでいう高収益とは、例えば大学生が活動費を集めるために企画したイベントなどのように、お金を集めるために理由付けしただけの活動とは根本的に異なります。

 

昨今、こういった集金システムが事業の皮を被ってはびこっていますが、ここでいう高収益事業とは、あくまでも「付加価値」創出への挑戦によるものということです。

 

「付加価値」を高めようと考えた場合、そのアプローチは大きく二つ挙げられます。一つ目は今の価値をもっと高める方法です。二つ目は今とは違う価値を提案する方法です。

 

ゴルフのドライバーで例えれば、一つ目の発展化アプローチであれば「もっと飛ぶ、曲がりにくい」といった性能アップです。二つ目の新機軸アプローチは「短尺ドライバーで飛距離は伸びなくてもスコアを伸ばしませんか?」という提案です。

 

すなわち、発展化アプローチは現在の延長線上に価値の向上を見出すのに対して、新機軸アプローチは、これまでとは異なる場所に新たな価値を見出すことを目指すのです。

 

研究開発費が予算化され専任の研究者を置いている大企業であれば、発展化アプローチこそが収益性向上の王道といえるでしょう。

 

ですが、人も予算も限られた中で高収益を目指そうとすれば、コストをかけず“考える”ことで価値を生み出す新機軸アプローチこそが、中小企業の戦い方として向いているといえます。

 

ところが、この“考える”というのは言うは易し行うは難し。まさに難行苦行です。ですから、この“考える”ということにどう対処するかが、経営者としての分水嶺になるのです。

 

高収益、あるいはまだそこまではいかなくても、独自の成長発展を歩まれている企業というのは、過去にその事業を構築する断面で相当に悩み苦しみ、新機軸を生み出しておられます。

 

一方、残念な経営者殿は、考えることを避け、手っ取り早く売れそうなものを探してパクることを考えます。そして、最小の努力で最大限に儲けることが目的化してしまいます。

 

事業がお金集めの色を濃くしていくと、もう一度「付加価値」について考える方向へ戻る事はどうやら難しいようです。ですから、絶対にそういった思考に堕ちてはなりません。

 

高収益を目指す事業を構築するにあたっては、お客様への真の「付加価値」とは何か、当社独自に提供できる価値は何か、自社の果たす役割として健全か。。。といった至極当然な疑問に対して真剣に“考える”ことに取り組んでいくことが大切です。

 

高収益の源泉は「付加価値」のポジショニングなのであって、必ずしも高度な能力・技術に支えられているとは限りません。基本的に戦い方のアプローチの違いです。

 

簡単だと申し上げるつもりはありませんが、“考える”と腹を決めさえすれば、時間は多少かかるかもしれませんが、お伝えする手順や切り口によって、独自の答え、新機軸に到達できます。

 

考え抜き、独自の成長発展を感じながら、真にお客様に喜ばれる事業を展開し、陰日向なく自信と誇りを持って生きるか。

 

それとも、次のパクりモノを探してお金集めに邁進し、簡単に稼げるなどと豪語しつつ、何か違和感を持って生きるか。

 

真にお客様への提供価値を最大化することで実現される高収益こそ、事業構築において目指すべき姿です。そのためには、新機軸を生み出す意識の下、“考える”ことに向き合う時間が欠かせません。

 

仮にパクるとしても、それは思考レベルであって、手段レベルであってはなりません。思考をパクッても結果全く同じモノにはなりませんので問題はありませんが、手段レベルをパクれば、それはもう考えることを放棄したと言わざるを得ません。

 

御社がお客様に提供している真の価値は何ですか?

御社がこれから世に問う新機軸の準備は進んでいますか?

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