【第404話】なぜ売れないのか…営業トークがポエムに堕ちてしまう原因と対策

「自分でも訴求がどこか弱いと思っていましたが、そういうことでしたか…」と社長、モニターに映した自社のホームページを見ながら、これからに頭を巡らせておられます。

 

現状を変えていこうとする際、まず大切なことは、何をどう変えていくのかを“構造的”に理解することです。

 

そのために、まずは現状把握なのですが、大抵の場合、まずここで躓きます。

 

そんなことはない、現状把握くらいはできている…というお声が聞こえてきそうですが、その現状把握とは、こうしたことになってしまっていないでしょうか。

 

例えば、「〇年から売上が伸びなくなり、利益が出にくくなっている」、「こうした状況を踏まえ、新商品・サービスを始めたが、思ったように伸びない」、「この販売拡大のためにネット広告も始めたが反応を得ることができていない」…といったことです。

 

こうした目に見えることも確かに現状把握ではあるのですが、これらはいわば「症状」であり、それらを整理しているにすぎません。

 

当然のことながら、こうした症状に対策を講じたならば…ということです。

 

確かに、売上さえ確保できればビジネスの命脈は当面保たれるかもしれません。しかし、収益性というのは放っておくと下がっていくので、経営はいずれ厳しくなっていくでしょう。

 

ビジネスを“構造的”に把握していくというのは、こうした症状の奥にある原因に近いところまで深堀して整理するということです。

 

もっと言えば、経営者として、これまでのビジネスとこれからのビジネスをどう変えるのかを構造的なレベルで理解することです。

 

ちなみに、前述の社長、とある業界の販売代理店での勤務経験をお持ちでした。このため、ビジネスの構造が、紹介的で第三者的な立ち位置から構築されていました。

 

これが、営業トークに力が宿らない構造的な理由だったのです。

 

このため、こうした紹介的な立ち位置から、お客様にサービスを直接的に提供する立ち位置に変えていただくことの必要性をお伝えした訳です。

 

昨今、「お客様への営業トーク」が、「世の中への貢献」で語られる失敗例を多く見るようになりました。

 

「地域を盛り上げる」、「みんなを幸せにする」、「業界を変える」…。とても大切な経営意識ですが、ポエムになりがちです。

 

ただし、こうした叫びというのは経営理念や経営目的と呼ぶべきことです。ここに商品力、サービス力が伴っていなければ、素晴らしい経営理念とフツーの商品…だということです。

 

ちょっと考えれば分かる事ですが、「ウチは素晴らしい経営理念を持って経営してます」が「この商品サービスを買ってください」にはならないということです。

 

大切な点なので補足すれば、商品サービスの力不足を、こうした経営理念や経営目的で補うことはできません。

 

ただし、不要ということではなくて、商品サービス力が拮抗したならば、こうした背景に持っている考え方も一つの加点要素ではあるということです。

 

ビジネスが世の中にどのように貢献するのか…大切なことです。

 

“利他”とは、世の中を利することです。世の中を利するような進歩発展にリスクを覚悟で挑んでいくことです。

 

決して、顕在化した問題の解決に私が取り組みます…と手を挙げて、仕事をもらおうとするような経営意識ではありません。

 

そういう意味で、理念への賛同要求は営業トークにはなりません。商品力を説明し、お客様の購入を通じて世の中への貢献を果たしていくというのが道理なのです。

 

営業トークが経営への賛同要求になってしまっていませんか?

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