【第394話】新事業に賭けることを博打にしないための挑戦法

「新しく〇〇ビジネスを始めようと思ってて、どう思う?」と社長。託せそうなスタッフさんともご縁があり、やってみようと前向きに考えておられるとのことでした。

 

もちろん、有望な成長市場でしたので、ぜひ頑張って下さいとお伝えしたところ、「××というフランチャイズなんだけど、知ってる?」とのこと。

 

新事業の検討を幅広に検討する際、この様なフランチャイズといった選択肢も上がってくることがあります。

 

こうした話というのは、経営者同士のつながりの中で豊富な情報があり、常に儲け話としての誘惑があります。

 

当然のことながら、世の中には資産に余裕のある経営者も多く、資産・資金の運用先として、こうしたビジネスを一つの選択肢として否定するものではありません。

 

ただし、他社企画のビジネスに乗るというのは、いわば資金の運用であり、中身は株を買うのとそれほど違いません。

 

このため、他社企画のプラットフォームに乗るビジネスというのは、商売の核となる部分を他社に依存しているという意味で、見ようによっては経営と呼べるのかという疑問が浮かびます。

 

このことは、新事業を考える経営者という立場にあって、ビジネスの範囲をどう考えているのかということです。

 

そもそも、新事業というビジネスの範囲を、本業領域を拡大していこうとしているのか、副業程度に考えているのかということです。

 

ここで、経営者の副業、サイドビジネスを否定するつもりもありません。ただし…ということです。

 

確かに、使っていない土地があるから駐車場に…といったことはあり得るでしょう。この際、どの駐車場フランチャイズが良いか、といった利回り的な検討も大切でしょう。

 

ただし、そうした検討というのは、あくまでも副業であり、どれほど頑張ったところで本業には成り得ないビジネスといえます。

 

なぜ、副業どまり、本業と呼べないとお伝えしているかといえば、その答えはシンプルです。本当の意味で自分でやっていないからです。

 

大切なことなので補足すれば、それは経営ではなくて運営といえることです。決まったことを運営することで手数料を得ているにすぎません。

 

新事業の立ち上げ、経営とは、常に投資です。成功するかどうかも分からない中、先に手元から資金が離れ、いずれリターンとなって返ってきます。あるいは、返ってこないかもしれません。

 

このように、リスクある世界に飛び込むにあたって、ビジネスというものの自分でやる範囲をどう考えているのかが大切です。

 

確かにフランチャイズへの加盟も、自分で決めた…と言えることですし、それが儲かれば見る目があったと胸を張れるかもしれません。

 

ですが、そのビジネスが、御社の本業になることは決してありません。もし、その投資に意味があるとすれば、その先に自社独自のビジネスを見据えている場合です。そうした運営に携わる中でノウハウを習得し、それを自社のビジネスとして活かしていくといった次なる展望の有無です。

 

どんな道を進もうとも、いずれ大変なのが経営者というものです。そうであるならば、他社への博打よりも、自社に賭けてみてはいかがでしょうか。

 

経営が競馬に賭けるのと違うのは、自分で走るからです。その走る中で強くなることを目指すからです。

 

ご自身に賭けて、ご自身で走る。走ることを他社やおカネに任せてしまっては、経営の最も面白いところを捨ててしまっているといえるでしょう。

 

まず自社に賭けようとしていますか?

経営者としてご自身で走ろうとされていますか?

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