【第38話】経営を伸ばす成功パターンマネジメントの具体策

企業には提供している商品やサービスの違いだけでなく、販売や受注に際してその企業独特の成功パターンがあります。

 

その商品やサービスが販売に結びついている理由でもある訳ですが、意外とご本人方がその独自性を認識されていることは少ないように思います。

 

この成功パターンとは、お客様からご要望や納期、予算などをヒアリングして、契約書案や仕様書案と共に見積りを提出して、受注を取り付けていく。。。といった事務的な流れの事ではありません。よくよく考えると繁盛の源、他社との違いを生み出している、もう少し会社全体の構造的な事です。

 

どのように商品・サービスを開発・更新し、どのようにお客様に届けているのか。それら一連の活動に対する企業独特の文化と言っても良いかもしれません。

 

少し話は変わりますが「ランボー」という映画をご存知でしょうか?シルベスター・スタローン演じるジョン・ランボーは、元特殊部隊の優秀な戦闘員、軽武器の熟練兵でゲリラ戦に強くヘリコプターの操縦ができるという設定です。かといって、ヒーロー的な存在ではなく、数々の戦闘からストレス障害が残るとても悲壮な存在として描かれています。

 

こういったキャラクター設定なので、映画のパターンとしては、何らかの理由でランボーが戦闘に巻き込まれていき、一人でナイフや弓矢などの軽武器を駆使してゲリラ戦に持ち込み、相手の武器も使いながら優位に戦いを展開、最後には敵のヘリコプターで帰還してくる。。。といった流れです。

 

ここでお伝えしたいのは映画の解説ではなくて、自らの能力を活かして優位な戦いのパターンを認識しておき、そこに持ち込むことに注力している、という力の入れどころの事です。

 

スポーツでも同様の事がいえます。テニスでいえばプレースメント、ゴルフでいえばコースマネジメントと呼ばれる能力です。優秀な成績を収める選手は、それぞれの武器をどのように組み合わせて、どのように戦うことが自分の勝算を最も高めるのかを考えた上で試合に臨んでいます。

 

確かにこういった能力は、実戦の積み重ねの中で身に付けていくところが大きいことも事実です。特にスポーツの場合、頭が想定した動きに体がついてこないとしょうがないので、最終的には筋肉側がクリティカルな制約条件になります。

 

ところが、こと事業経営に関しては、スポーツと比べて、筋肉よりも頭脳側で稼いでいる領域が大きいため、頭の中で有利な作戦展開、勝ちパターンを創り上げていくことが可能です。

 

そして、頭脳側は余人を持って代え難し、外注することはできません。一方、筋肉側はコアとなる領域を除き外注できる時代です。事業経営で生みだす『価値』が思考的努力で生み出す割合に寄ってきていることは気付いておくべき重要な認識です。

 

成功パターンとは、能力単体の勝負ではなく、その組合せや使い方の順番を展開として予め思考したものといえます。

 

これを見出すのに有効なのは自社の成功事例の分析です。ここまでは多くの会社が取り組まれていると思いますが、急成長企業はこの先が違います。この成功パターンに持ち込むための考え方や姿勢を示した“行動規範”がとても入念に整備されているのです。

 

ところがこれを創るとなると実に難しい。一般に言われる経営理念レベルだと高すぎるし、業務マニュアルレベルだと低すぎる。道徳的な一般論の記述になってしまっても意味がありません。

 

難しさの一番の原因は社長殿ご自身の考え方をハッキリと示さなければならない点にあります。万人受けする座りの良い正解探しの行動規範ではなく、多少の物議を圧してでも自社の考え方、スタンスを社員に対してハッキリと示すことが必要です。

 

改めて申し上げますが、行動規範を創り上げる過程で正解を探してはいけません。自社の考え方を正直に表現することに努めてください。

 

御社は成功パターンに持ち込めていますか?

そのための行動規範は整っていますか?

コラム更新・お役立ち情報をメールでお知らせします!

メールアドレスをご登録いただくと、コラム更新やコラムではお伝えしきれない情報などをメールでお知らせします。

こちらのページから是非ご登録ください。

経営者応援コラム