【第103話】高収益を宿すために欠かせない投資設計の基本思想

経営とは“投資”です。常に先にお金が手元から離れ、後にそれよりも大きくなって返ってくるか、返ってこないか。。。というのが資金面から見たリスクの正体です。

 

“投資”したお金が戻ってくれば回収、それよりも多く戻ってくれば投資リターンが生まれたということです。“投資”とは、一定の目標期間でこのリターンを目指すことです。

 

もちろん、経営における真の目的は、人類の進歩発展や、社会的な役割を果たしていくことによる貢献であることはいうまでもありません。

 

ですが、事業経営という自助・自立の精神を持って経営を存続させていくためには、呼吸をするが如く、必要な利益水準というものがあります。必要という意味は、このリターンこそが未来を維持し切り拓く原資だからです。

 

よって、投資回収+リターンは投資実行において目指す最低ラインを意味しており、リターンが見込めないのであれば、残念ながらその投資は難しい。投資回収リスクを負うには値しないといえます。

 

こういった意見を申し上げると、「社会的に必要なことだから、私達は赤字覚悟ででもやっている」といったご意見をいただくことがあります。

 

このような取組で助かっている方々がいらっしゃることは間違いないでしょう。しかし、赤字覚悟の事業で働いている従業員さんの幸せはどうなるんでしょうかと。

 

誤解を招かないように補足すれば、投資に値しないなどと申し上げているのではなく、最低限に求められる投資リターンが得られるような工夫努力をしてから、実行に移してはいかがですか、と申し上げています。

 

限られた手持ちの資金で事業を育てていこうとすれば、投資リターンを最大化させ、そのリターンを元手に再び投資を行っていく。。。という再投資による拡大再生産の路線を歩むことが王道だということについては、大方ご賛同を頂けるものと思います。

 

成長投資を借入だけに頼り、借金を返すことが目的化しながら経営を続けるか、それとも、先に積み上げた利益を再投資することで成長拡大の道を歩むかでは、経営にあたる心持ちが違うのではありませんかということです。

 

つまり、まずは小さくてもリターンを生む仕組みを考えることが大切です。そのためには、製品・サービスといった生産物に留まらず、これまでの事業を改善し、生産システムとして進歩発展させることで、資本的な「効率性」の水準を上げておく視点が欠かせません。

 

はっきり申し上げれば、投資の収益性は投資時点の建て付けで9割方が決まってしまいます。基本設計がほぼ支配的なため、走り出しの水準が重要なのです。

 

もう少し補足すれば、生産物を考えるのと同じくらい、その生産システムについての検討も重要だということです。生産物の価値向上と生産システムの効率性を同時に追求することが、高収益を目指すための両輪だということです。

 

例えばスポーツジム。従来からの事業モデルで運営コストの多くが設備費と水道光熱費だとすれば、新たにスポーツジム事業に参入するのであれば資本面に着眼して、初期投資や水道光熱費を劇的に削減して実行する方法はないか、と考えてみてはいかがでしょうか。

 

軽運動やダイエットに特化する一方、既存の建物を活用したり、プールやお風呂を作らずシャワーだけにして初期投資とランニングコストを抑えることで、新たな効率性を宿したスポーツジムの仕組みができないですか。。。といったことです。

 

“投資”時点での工夫努力に対する報いとしてリターンが生まれます。事業が走り出してからの工夫努力は改善として必要ではありますが、あくまでも微調整、チューニングなのであって、基本的な設計思想(アーキテクチャ)の見直しではありません。

 

飛行機は飛び立つ前に設計するのであって、飛びながら設計を変更することが出来ないのと同じです。

 

収益性に最も影響を与えるのは事業設計段階での工夫努力だということです。事業投資時点での建て付けで収益性は大方決まってしまうことに鑑み、この段階での工夫努力がとても重要です。

 

御社では“投資”時点での工夫努力を重視していますか?

資本面から「効率性」の向上を目指していますか?

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