【第9話】「泥臭い」行動ができる企業の努力手順

「今や花形の企業であっても、創業者のほとんどは経営を軌道に乗せるまでに泥臭い努力をしているものです」、「この製品開発は泥臭く必ずゴールにつなげます」、「この新商品を泥臭くても地道に売っていくつもりです」。。。これらは経営者やプロジェクトリーダーの方々からのお話ですが、「泥臭い」という言葉をよく耳にします。

 

こういった文脈で「泥臭い」はあきらめずにとことん…といった意味で用いられています。つまり、結果が出るまでやり続けた、やり抜いてみせる、やり続けるつもり、といった覚悟感を表しています。

 

ですから、こういったお話をお聞きする場面というのは何ともいえない空気感が流れ、聞いている私の方も細胞の奥から力がにじみ出てくるような感覚になります。

 

では、こういった経営者やプロジェクトリーダーは、どうやってこういった心境に至ることができているのか。そこに想いを馳せてみると、とても簡単な結論に至ることができます。彼らはどこかの時点で「やる」という覚悟を決めているのです。

 

これを本業にしていくという覚悟、新事業を立ち上げ育てていくという覚悟、この計画を必ず達成するという覚悟、売上や利益を絶対に作り出すという覚悟、社長をやりぬく覚悟、会社を次世代へ引き継ぐ覚悟。。。このように「泥臭い」は“徹底した行動への覚悟”なのです。

 

「やる」という覚悟にも様々ありますので、応援者であるコンサルタントとしては、社長やプロジェクトリーダーが腹で決めている覚悟の特質を理解していることが絶対的に不可欠です。経営者の方の覚悟の特質に賛同できない場合、生意気ながらお仕事をお断りしています。

 

やると決める ⇒ やる事を決める ⇒ 徹底的にやる

 

この順番は物事で結果を出すための普遍的な原理のように思えます。ですから、「やると決める」、「徹底的にやる」ためにはその間を埋める「やる事を決める」が大切になります。徹底的に行動するためには拠り所が必要なのです。これはとても平たく言ってしまえば「事業計画」ですが、計画を作ることが目的ではなく、採算性の高い事業を企てることが目的です。よって、弊社ではこれを「収益事業立ち上げ」と呼んでいる訳です。

 

多くの経営者の方々は「やる」という覚悟の水準を何回も何回も更新しながら高めていっています。やると決めて、やる事を決めて、徹底的にやって達成して、より高い水準でまたやると決めて。。。

 

一方で、やると決めたものの、やるべき事が整っていないので、徹底的にやろうとしても散漫になり結果が出ず。。。やると決めた意識がだんだんと下がってしまい、結果、顧客に迎合的になりどんどんと事業性を失っていく。。。といった状況も見受けられます。「やる事を決める」プロセスをしっかり整えないとこうなってしまう可能性が高くなります。

 

稀に凄まじく行動力のある社長さんもいらっしゃいます。できる事を片っ端から商売にしてあっという間に売上を作っていくのです。やると決めるや否や、やる事を決める前に徹底的にやってしまうのです。これはこれでとても素晴らしい才能と努力ですし尊敬しますが、そういった社長さんからのご相談は。。。そうです、売上げが伸びず利益も厳しいと。社長さんの行動力に依存した売上げには限界があります。あっという間にその限界に達してしまい、そして、工夫努力が足りなかったために利益が出にくいのです。

 

事業の目的や計画が実際に物事を進めていくうちに分かってくるということも重々承知しています。それを分かった上で敢えてお伝えしたいのです。

 

どんな社長さんも「やると決める」までは当然やっているのです。この先で違いが生じるのは「やる事を決める」ための思考的努力です。ここに認識を持たれることが大変重要です。

 

御社では泥臭い行動を実現するための準備として、「やる事を決める」ことに十分な時間を割いていますか?

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