【第414話】商品ライフサイクル〇年論と10年成長戦略の立て方

「新商品がやっと出来上がったばかりだったので、そこまで全然考えていませんでした…」とプロジェクトリーダー。どうしましょ…と言わんばかりに、お隣に座っている社長と目を合わせておられます。

 

こちらの企業、初めて自社看板の新商品がほぼ完成し、販売拡大に向けた準備検討が進められていました。

 

このため、まずは今後の販売体制の構築についてお伝えした上で、これから10年を今のうちから考えておきませんか…とお伝えした次第です。

 

経営は栄枯盛衰の世界、これを分解して考えれば、商品やサービスには浮き沈み、いわゆるライフサイクルがあり、この事実にどのように対応していくつもりなのか…を考えておく必要があります。

 

一般に、商品ライフサイクルとは、導入期には開発費を要し市場も小さく普及努力も必要であることからあまり儲からないものの、成長期になると市場の成長とともに売上利益は増加しつつ競合も増えていきます。成熟期には価格が落ちていくことで売上利益が頭打ちになり、いずれ商品価値の相対的な低下によって衰退期を迎えていく…というものです。

 

いわゆる、ロングセラー商品であっても、マイナーチェンジや改良がなされていて、決してホッタラカシで売れ続けているのではありません。

 

この商品ライフサイクルという考え方の一番の問題は、そのサイクルの長さは結果であって、そもそも誰にも分からない…ということです。

 

というよりもむしろ、企業の努力如何によって長くも短くもなる…とさえいえることです。

 

では、多くの企業はどの程度のライフサイクルを想定して次なる打ち手を考えているのかということは、知っておいて損のないことでしょう。

 

知る範囲で経験的にいえば、「新商品割合3割」という目標を耳にします。実際にはその目標には届かなかったとしても、2割強というあたりが実績感といったところでしょうか。

 

この目標設定から逆算すれば、商品が毎年3割、新しいものに更新されると考えているということですから、全部入れ替わるのに3年程度、2割入れ替わるとすれば5年程度と想定していると解釈することができます。

 

実際には全ての商品が入れ替わるのではなくて、その一部はロングセラーとして残る一方、一部はより短命にラインナップから消えていく…といったこともあるでしょう。

 

いずれこうした実際から考えておくならば、御社の新商品・新サービスも商売寿命は「概ね3~5年」と考えておくことが心積もりとして必要ということです。

 

もちろん、全く新しい商品サービスを3~5年毎に開発しなければならないということではなくて、まず一義的に取り組むべきは新商品の商売寿命を延ばしていくことを考えつつ、次なる新製品についても平行して考えていくということです。

 

では、どういったスパンで商品サービスの更新・リニューアルを考えていくかといえば、すでにヒントが見えています。

 

それは、3年に手遅れにならないようにするためにはその前、“2年毎”のスパンでリニューアルシナリオ考えておく…ということです。

 

渾身、自社開発の新商品であるならば、やはり10年はその商品力を商売のベースに活かしていきたいところです。

 

そうであれば、この10年の成長戦略を2年毎に区切って5ステップでリニューアルシナリオを今のうちから考えておくことが必要となるでしょう。

 

この5つのステップが伏線的な軌跡となって、10年後、衰退どころかより強い存在感を育てることにつながります。

 

商品には確かにライフサイクルがあります。ただし、この一般法則に抗い、自社の商品サービスをロングセラーとして育てていくためには、10年先を見据えた2年毎5ステップで成長戦略を考えておくことが大切です。

 

新商品の販売だけでなくその先も見ようとしていますか?

戦略的リニューアルシナリオで強さを育てていきませんか?

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