【第344話】経営の何かを変えたいと考えた時の対処法

「販売に陰りが出てきたのでテコ入れしようと思って…」と社長。思い切って商品の提供方法を変えてみましたが、お客様の反応が思わしくないとのことです。

 

ここで「なぜ、このように変えたのでしょうか?」と変更の理由をお聞きすると、とある企業の営業さんから「これはまだ他社さんではやっていません」と言われ、では挑戦してみようと決断されたとのこと。そのために投じた金額を聞くと!!!です。

 

ところが…、ということです。大金を投じたにも関わらず販売は改善せず。むしろ、望まぬ方向に拍車がかかり、なぜ、どうして、となってしまった訳です。

 

経営に何かを導入する際、大切な意識があります。それは、どういったものであっても“道具”でしかないということです。

 

大切なことなのでもう少し補足すれば、どんな道具も使い方次第だということです。さらに言えば、道具を使うこちら側の問題なのです。

 

そもそも、経営を高めるための道具は買ってくることができたとしても、その道具を使うのは自分たちであり、同じ道具であったとしてもその使い方次第で結果が変わってきてしまうことは当然のことといえるでしょう。

 

ちょっと考えれば分かることですが、「おカネで買える成長発展は無い」と心得ておくことが肝心です。

 

これは実に単純な話です。事業経営はそこに棲む人の創意工夫によって成り立っており、立派な道具だけで何とかなるものではないからです。

 

例えば、生産設備を購入して据え付けただけであれば、何の役にも立ちません。自社の生産物に合わせたチャック装置や加工治具がなければ何ともなりませんし、何を作るのかを設備機械が考えてくれるはずもありません。

 

あるいは、店舗を出店したとしても、そこに意志が込められていなければ、単なる商品の陳列場に過ぎません。確かに、商品とお客様の接触がありさえすれば、売れる可能性はゼロではないのですが、人の創意工夫なくして採算に乗るはずがないのです。

 

最近は、販売を自動化するなどといった謳い文句のシステムもお見かけますが、そのためにはお客様情報をアレコレ大量に入力しなければならなかったりします。

 

そもそも、道具は使い方次第なのです。使い手に拠るのです。このため、下手に高度な道具を使うよりもむしろシンプルな道具の方が効果が上がったりするのです。

 

これはある意味、売上利益を創るとは、道具の使い方次第であり、それは道具の使い手としての訓練具合であるというところが難しいのです。

 

ここで難しいとは、道具選びにおいて、使い手の今のスキルに合わせることが合理的でありながら、より高度な道具によって使い手のスキルを伸ばすという相互効果もあるからです。

 

この道具が先か、使い手のスキルが先かの議論は、状況に応じて正解が異なってくるため、なかなか一律的な答えのない問題であることは一先ず置いておくとして、どんなビジネスレイヤーに道具を導入するのかという点については法則的な影響度が存在します。

 

それは、能力・技術、商品、付帯サービス、提供方法…といったビジネスレイヤーのどの階層に道具を導入するのかという視点です。よりビジネスの核に近いところ、上流側、左側に道具を導入することが大きな効果を生み出すためのコツです。

 

前述の社長、最も下流側の提供方法の変更に莫大な投資をしてしまったために効果が薄かったのです。自社の能力・技術、あるいは商品といったレイヤーへのチャレンジをさて置いて、最も下流の提供方法だけで現状を変えようとしても、これではビジネスの根本的な刷新に至らないのは明らかなのです。

 

ちなみに、〇〇とコラボといった企画商品のほとんどが採算に乗らないのもこれと同様の構造があります。商品そのものが変わらないのに、ラベルだけ変えて売ろうなどと考えることにそもそも無理があるのです。

 

望む結果を期待するならば、ビジネスの構造を変えることが大切であり、そのために、道具の導入は、上流側を優先させることが大切です。

 

道具の導入レイヤーを意識していますか?

高度すぎることなくちょうど良い道具になっていますか?

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