【第33話】努力を売上に換えるための行動力とは

思い立ったが吉日。何かしようと思いたったらその日が吉日、ぐずぐず考えていないで直ぐに行動に移せ、動け。。。との先人方からの教えです。

 

気になったらすぐに行ってみる、会ってみる、やってみる、といった感じでしょうか。動かず座しているだけで物事は何も変わりませんので、思い立ったら直ぐにアクションに移せというのは、とても有効な指針です。

 

ですが、チョコッと動いたくらいで何かが変わるなどとは考えない方が良いでしょう。それはやらないよりはマシという程度の事であって、それだけで物事を動かしたり変えたりすることはできません。

 

ですから、新事業でも新商品でも、儲けを出せる能力水準とはどれほどかについて、あらかじめ一定の目安を付けておくことが大切です。

 

なぜならば、能力を収益化するためには一定の水準、深さを超えていないと難しいからです。ちょっとカジッたくらいの能力にお金を払う人などいません。

 

経営の得手・不得手は、この能力水準に対する感性にあるように見えます。売れる社長殿は、今の時代で売ろうと思ったらこのぐらいやんないと無理でしょ、ここまでやってから売り出したい。。。といった感覚です。

 

一方、売れない社長殿は、能力水準に対する認識が古かったり、分かってはいるんだけどやっぱりそこまでやらないとダメ?。。。といった感じです。

 

事業として売上や利益を上げていけるようにするためには、能力水準に対する自社なりのイメージを持ち、その水準までしっかりと掘り込んでいく努力が必要不可欠です。

 

これは言い換えると、その事業を営んでいく上で必要となる基本能力を、儲けを生みだせるプロとしてのレベルまで鍛え上げていくこと、と言えます。

 

事業における“違い”とは基本的に、難易度、習熟度、技術力といった筋から生まれるものです。事業のとても本質的な部分であり、その事業を行う上で、絶対に避けては通れない事業の核です。

 

よって、ここでの努力を惜しんでいるような人が儲けられるほどビジネスの世界はゆるいものではありません。

 

販売が滞るのも、その商売で世の中から求められている水準に能力が遅れてきた、届いていないから、という場合がほとんどです。

 

行動力は大切ですが、思い立った、そして広く浅く。。。では事業になりません。行動が散漫になってしまうとその努力を売り上げに換えることは難しくなっていくと言わざるを得ません。

 

行動力とは“量”に対する概念です。努力を売り上げに変えていくためには、この努力の量をどこに向けていくのか、どこを深堀していくのかを考えておかなければならないということです。

 

深さを作る行動か単なる作業なのか。ここを掘ると決めた場所なのか、当てずっぽうなのか。一連の打ち手なのか思い付きの単発行動なのか。この違いが戦略であり計画です。

 

そして、もう一点。事業である以上、行動の量も大切ですが、それにどれだけの期間をかけるかも重要です。

 

趣味ならばコツコツと時間をかけてゆっくりと楽しむのも良いでしょう。しかし、事業となれば売上化できる深さまで集中して一気に掘り進めることが肝要です。なるべく早く収益化できるレベルまで掘り進め、次の穴も掘っていきたいからです。

 

ここで申し上げているのは、行動に対する意識の違いです。掘る場所を決めているか、目指す深さイメージを持っているか、その深さまでどの程度の期間で行くつもりか。こういった意識の有無によって行動にも質的な違いがあるということです。

 

御社の行動は深さにつながっていますか?

それら行動群は、期間意識を持って戦略的に展開されていますか?

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