【第230話】インターネット営業の商売心得
「WEB直販が8倍になりました」とのご連絡、嬉しい限りです。また、とある新事業の立ち上げで、社長は最初からWEB直販を前提に新事業の構築を進め、着実な成長と超高収益を実現されています。
弊社では、WEBサイトでの直販、あるいは営業活動を、経営の絶対的取組事項として推しています。当然のことながら、これから3年、5年、10年…を考えれば、今よりも更にネット検索がウインドウショッピングに取って代わり、特に新規の販売受注の入口はWEBサイトになっていくからです。
実際、後押しさせていただいている企業では、WEBサイトの中身、コンテンツの更新を続けながら、通販サイトからの直接購入、店舗への誘導強化、新規取引の相談などで、着実に売上を拡大されています。
一方、少しアレンジしつつも同じような考え方・やり方をお伝えしているにも関わらず、残念なことに成果が出にくいケースがあります。もちろん成果の出にくい業種業態、地域、タイミング…といったことがあるのは十分に承知していますし、そういったことはアドバイスの背景として研究しています。伸ばせないケースにはそれだけではない、何か原因のようなもの…があるのです。
その原因をお伝えする前に、そういったネット営業で伸ばせない社長に共通することがあります。それは、「リアル店舗で営業」してきた方に多いということです。「リアル店舗で営業してきたのならばWEB販売も上手いはずでは」とお感じのことと思いますが、実はここにネットの難しさがあります。
昭和の時代、モノが足りていない時代、「お店を開けること」が営業開始の合図でした。モノが足りていないので、お客様は「近い」、「通り道」、「とりあえず」といったことでご来店してくれていました。
お客様と商品の接触があれば、そこに売れる可能性が生まれます。実際、店舗で「これ売れるんですか」とお聞きすれば、不思議なほどに「売れます」というビックリな答えが返ってきます。
そういった経験もあって、店舗での商売経験が長いほど、「店を開けさえすれば売れる」という昭和感覚が根強く残っているのです。
こういった感覚でWEBサイトを立ち上げるとどうなるか。簡単に言ってしまえば「在るだけ」、ネット上では「近い」とか「通り道」といったことで買っていただけることはないのです。
つまり、リアル店舗での販売と比べて、ネットでの販売は難易度が高いのです。商品の実物に触れることはできませんし、体感しにくいのですから当然です。その分、しっかりとした説明、セールストークが必要です。なまじ店舗での販売経験があるため、「開けさえすれば」の営業感覚が根強く、商品を説明する意欲に乏しいため、ネット上で負けてしまうのです。
さらに、もう一つ大きな原因があります。それはネット営業への進出理由です。大抵の場合、リアル店舗での販売受注が陰ったことでネット営業に取り組もうとしていることです。
要は「仕方なく」取組み始めているということであり、言い方を変えれば「できればやりたくない」、「面倒」と思っているのです。状況によってはやると決めた今になっても心の片隅で「本当に必要?」とさえ思ってしまっています。
こういった意識で商売が上手くいくはずがありません。商売心得の一丁目一番地は「やる気」です。お客様は「やりたい」と思っている人からしか買いません。「できればこんなことやりたくない」と思っている人から買うはずがないのです。
商売敵は、みな最初から販売が難しいと分かってネット上で勝負すると決めて参戦してきています。そのために、リアル店舗を持たず、その分のコストを広告に投下してWEBサイトを店舗として参戦しているのです。そこで戦う工夫をしているのです。
お店に「営業中」と掲げただけで売れていく時代ではありません。そんな中でもっと厳しいネット上に打って出るのですから、いやいや面倒などという意識は捨てて、しっかりとやり切る覚悟、営業に対する結果意識が大切です。
リアルで圧された意識のままネットに出てしまっていませんか?
ネット上でも本気で営業すると決めていますか?