【第117話】《御利益》多き年にするために知っておきたい自然法則

これまで10年以上に渡って売上高の減少に直面してきたサービス企業が、大きな投資もせず、商品・サービスの打ち出し方を見直して売り出したところ、1年かからずに倍近くの売上高にまで成長、それもリピーター続出で、今後更なる伸びしろも。。。

 

設備投資に売上高が追い付かず採算が悪化し、苦しい財務状況に陥ったものの、自社の強みを再認識し営業に本腰を入れたことで売上高を伸ばし、過去最高の売上高、利益水準を更新中、次の投資を準備。。。

 

長年に渡る財務改善に見通しを着けて、肝いりの新事業を興し、販売を伸ばすと同時に、著しく高い利益率を実現、更なる展開が進展中。。。

 

これらのストーリーは、これまでに経験させていただいてきた、とても頼もしいノンフィクションです。

 

一方で、結構、頑張られているのに、なかなか状況が好転しない。。。という経営も多々お見かけします。

 

その違いは何なのか、そこに共通する違いは見出せるのか。。。そんな視点で考えてしまいます。

 

経営コンサルタントという仕事柄、売れない理由、儲からない構造、経営が思わしくない原因。。。といった改善点を挙げろと言われれば、ヒアリング、現場、数字などを見せていただければ、ある程度、現状を体系的に把握することはできます。

 

これはいわゆる「診断」といわれるプロセスで、一定の訓練を積んだコンサルタントなら、概ね対応可能な仕事です。

 

ですが、悪いところを治しても悪くない会社になるだけ。良い会社になる訳ではないところが事業経営の難しいところです。結局のところ、お客様に買って頂ける理由を創らない限り、良い会社への道は拓けません。

 

多くの経営者の方々と議論を重ねる中で、分かってきたことがあります。経営を好転させることができない社長殿と、どんな状況からも経営を好転させる社長殿の違いです。

 

経営を好転させることができない社長殿に共通しているのは、「言い訳」を持ったまま、経営にあたっている、という点です。

 

業界、業種、地域。。。みんな凹んでいるなどと、外部環境を原因だと仰います。「世の中、7割が赤字なのですから、黒字化させたければトップ3割に入る努力が必要」と申し上げたところ、「ウチの業界は8割が赤字だ」と開き直った経営者殿もいらっしゃいました。

 

その立場にある人として、こう言いたくなる気持ちは致し方ないと、一旦、受け止めはしますが、こういった話を聞くと、怒りに近い感覚を覚えるため、例え目上の方であっても、本気でやる気を問いたださなければならなくなってしまいます。

 

一方で、経営を好転させていく社長殿は、先に「絶対に好転させる」ということを決めています。これは、“覚悟”とでもいうのでしょうか。

 

新事業にあっても同様です。「絶対に成功させる」と決めてから取り組んでおられます。

 

物理の世界などでは良く知られていますが、物事には一定の境目を超えると一気に変化が起こってくる点というのが存在します。これらは、『閾値(スレッシュホールド)』や『臨界点(ティッピングポイント)』と呼ばれます。

 

状況を好転させたい。。。と考えれば、それに必要なほどの“覚悟”が『閾値』を超えない限り、その下側でウロウロすることは明らかです。

 

そして、新事業を成功させようと考えるならば、『閾値』を超える水準で“覚悟”を決めた上で、勝てる『臨界点』を超えるところまで準備しなければなりません。

 

その下側で、物事を動かすことは、宇宙・自然の法則としてムリなのです。ここまで出してダメだったら、もう少し頑張る。。。といった努力の小出しは、一番の遠回りです。

 

“覚悟”のレベルは『閾値』を超えていますか?

製品・サービス開発は、売れる『臨界点』まで煮詰めていますか?

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