【第525話】足りてる時代の販売拡大には〇〇モデルで立ち向かう
「お時間頂きましたが、WEBサイトの商品ページがやっと書けてきました」とプロジェクトリーダー。
自社看板商品のネット直販強化、販売拡大に向けて、商品企画に立ち返って整え直した上で、情報発信の核となるWEBサイト制作、商品ページのコンテンツが整ってきました。
えええ…とお思いでしょうか? 販売拡大に向けて商品企画に立ち返る…とは?
これは「販売拡大2ステップ絶対手順」とお伝えしていることです。一度、商品企画に立ち返ってから販売拡大策を展開する…という手順が欠かせません。
もう商品はできているのだから、これをもっと売りたいのですが…というお気持ち、良く分かります。
ですが、今よりももっと売りたいというのであれば、今と同じことをしていて違う結果を望むというのもまた違うということはお分かりいただけるものと思います。
なぜ、販売拡大策に先立ち、一旦、商品企画にまで立ち返らなければならないかといえば、もちろん理由があります。
ここで、モノ、商品、製品を作っているビジネスであってもその中身はまるで異なる場合があります。
例えば、客先から指定された商品を作っているような場合です。こうしたビジネスの場合、確かにモノとしての商品は作っていますが、需要は作っていません。需要を作っているのは客先側です。
こうしたビジネスの中身は、モノを作る製造受託ビジネスだということです。製造する部分で対価を頂戴しています。
この様に、「製造できる=商品化」と考えている場合、ビジネスピースとしてゴッソリと抜けていることがあります。
もうお分かりと思いますが、それは「需要創造」です。
ビジネスは、商品と需要、製品と市場…の対で成り立つものです。ですから、確かに物理的に商品が出来上がっていたとしても、それを販売するためには、新たに需要を興さなければなりません。
大切な点なのでもう少し補足すれば、足りない時代には、まず需要が在りました。需要が在るので「作れます」と手を挙げれば売れた…ということが起こります。
一方、足りてる時代、これを前提とするならば、需要自体を作らなければならないことは言うまでもありません。
総括すれば、在る需要の中で生きようとするビジネスと、未だ無い需要を興そうとするビジネスでは、例え同じような商品を作っていたとしても、それは全く異なるビジネスだということです。
これを踏まえるならば、売り方にも二種類あることが分かります。前者は在る需要に対して商品を説明し、後者は新たな需要創りに向けて商品が顧客にもたらす便益を説明します。
新たな需要の創造…というのは、買おうと思っていなかったお客様が買って下さることです。こうした購入という行動を起こしてもらうことです。
そのために、大切な商品企画とは、商品そのものの出来上がりに留まらず、その商品がお客様にどんな便益をもたらすのかまで説明できて、初めて完成と呼べるものです。
こうしたお客様の便益を発信することを「顧客目線」と呼び、そうした発信があるからこそ、お客様に反応していただけるのです。
これは、いわゆる刺激-反応モデル(S-Rモデル)、外部からの刺激(Stimulus)によってお客様の反応(Response)を引き起こすという概念です。
足りてる時代、そうした中で、販売を拡大しようとするならば、今在る需要に売るのか、新たな需要を創ろうとするのか…売り方が異なることについてもう説明は不要でしょう。
販売拡大…はどんな需要を目指していますか?
御社の商品は需要創造の刺激にまで仕上がっていますか?