【第353話】経営という不確かな世界で心に安定をもたらすもの

「10年毎にコレじゃ、たまったもんではありません。でも次のショックも心しておかなければなりませんね」と社長。口元には力が入り、その表情には今後への覚悟がにじみます。

 

経営は不確かな世界であることは言うまでもありません。そして、その事例、歴史をここでお伝えするまでもなく、経営者であれば、表舞台から姿を消すことになってしまった会社、経営者のことは、いくらでも頭に思い浮かぶことでしょう。

 

だからこそ、経営者は、この不確かな世界を生き抜いていくために、必死で舵取りしています。現状を維持するだけでも大変だからこそ、次に備えようと発展を目指しています。

 

そんな際、「これは辛いだろうな」と思ってしまう経営者にお会いすることがあります。ここで“辛いだろうな”とは決して経営状態のことではありません。

 

それは何かといえば、経営者の思想、考え方、生き方…といった類のことです。

 

例えば、とある社長は自社の領域に入ってきた他社を締め出そうと、あらゆる手段を講じます。それはもう法律スレスレ、というよりも社会通念上はアウトの世界です。

 

あるいは、これとは反対に社会派の社長も同様です。今の社会は間違っていて、もっとみんなで仲良く手をつないでやっていくべきだ…といったことです。

 

これらに共通する“辛いだろうな”の原因とは、「自分が正しくて、自分以外が間違えている」と考えていることです。

 

大人になれば分かることですが、今というのもある意味で合理的な均衡で成り立っています。当然のことながら、不確かさ、変化の中で物事は進んでいきますから、その過程で、これまで良かったコトが、時代に合わなくなってくることもあります。

 

しかし、それでも先人方は、そこで諦めることなく歴史を紡いでくれてきたからこそ、今日があります。

 

まず、最初にお伝えしておくべきことは、「自分が正しくて、自分以外が間違えている」という考え方は、未来を切り拓いていくことができる思想ではないということです。

 

なぜそう断言できるかといえば、答えは簡単です。それは、我々はみな「自然法則」という同じ世界を生きているからです。大きな意味で生かされているルールはみな“同じ”なのです。

 

経営者にとって、時に反骨心のような現状否定の感情がパワーになり得ることは否定しません。ただしこれは、負けてたまるか、もっとできるはず、いつか自分も…といった自分自信の成長に対する未来志向なことであって、そのパワーを決して自分以外に向けてはなりません。

 

皆が同じ中で、経営が生き延びていこうとする上での問題は、そこで“違い”が必要とされていることです。

 

ここで「人とは“違う”」を自らの思想に求めると、辛い生き方になってしまいがちです。それは当然です。みんな同じなのに、意図的に違おうとするなど、そもそも無理があるのです。

 

経営上、“違い”を求めるべきは商品・サービスです。ではどうすればその“違い”は生まれてくるのでしょうか…。

 

それはとてもシンプルな法則に基づいています。今を探求すれば、自ずと商品・サービスに“違い”が生まれてくるということです。

 

それがまだ“違い”として見えていないというのは、まだ探求の程度が浅いということなのです。ここで諦めず、心配せず、このまま進めば良いだけです。

 

そもそも“違い”を求めて探求の道を進んでいるのですから、だんだんと“違ってくる”ことで、良いのかな、合ってるのかな、正解?などと不安に感じる必要はありません。

 

例えば、野茂英雄選手のトルネード投法は、他者と違いたい…などと考えて生まれたものではなく、投法を探求した結果、あの姿に至っているということです。

 

ご安心ください。まだ、途中かもしれませんが、まもなく“違い”は生まれてきます。

 

自然法則の世界を生きていますか?

思想ではなく探求の先に“違い”を求めていますか?

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