【第494話】経営の飛躍に最も大切な計画項目

「枚数は少な目ですが、やっと自分で計画したと思えるようになりました」と社長。これまで、経営計画書の書き方といった本を頼りに見様見真似で書いてきたものの実効性を感じることができず。

 

そして、金融機関から求められる数字寄りの事業計画が、実務上の計画となり、結果、ほぼ中身的な計画なく経営にあたってこられました。

 

ただし、こちらの社長、なぜこうした状況で難局を乗り切ってこられたかというと、それはマネジメントスタイルにありました。

 

それは何かというと、“会話”です。社長は従業員さんとの会話が頻繁で、口頭での意思伝達で、なんとなくの全体感を醸成することができてきました。

 

しかし、従業員数が30人を超えるようにもなってくれば、そうしたことは困難になってきます。

 

一般に、一人の管理者が部下の仕事を適切にフォローできる人数、いわゆるスパンオブコントロールは5~8人、最大で10人と言われています。

 

こうしたスパンオブコントロールの視点から、組織を細分化して10部署ができてしまったとすると、経営者は10人の部長をコントロールしなければならないことになってしまい、ギリギリのマネジメントが求められることになってしまいます。

 

ですから、組織細分化にあたって部署数は可能な限り5つ程度、多くても8つに収めるようにすることをお勧めしています。

 

少し話はそれましたが、経営を計画しようとする際に、PDCAといったマネジメントサイクルよりももっと大切なこと、計画のマインドがあります。

 

それは、仮説検証マインドです。

 

当然のことながら、計画が対象にしているのは未来のことですから、やってみなければ結果はどうなるか分からないことです。

 

ですが、やってみなければ分からない…にも程度があって、全く分からないのか、あるいはある程度の範囲で予測がつくのかといった違いがあります。

 

したがって、計画の意識が、こうすればこうなるはず…というある程度の仮説を持っているかどうかが大切で、計画化のプロセスにおいて、こうした仮説がカラフルに描けているかどうかが計画のキモだということです。

 

大切な点なのでもう少し補足すれば、計画は仮説で、実行はその仮説の確からしさを検証する、いわば試行だということです。

 

先に進み新たな発見を見出しながら、仮説の確からしさを試行を通じて検証しながら修正していく…という前進意識です。

 

そして、計画化で最も大切なのはプロセスです。経営を飛躍させていこうとするならば、計画は上位概念から落とし込んでいく必要があるのです。

 

経営理念といったことは超長期の目標ですから、実務的に大切になってくるのが至近の具体的な目標設定です。

 

優れた目標設定とは、高い目標でありつつ具体的な目標です。ここで具体的とは、絶対に達成してみせるという必達目標だということです。

 

これから始める人に限って、大風呂敷を拡げがちです。世の中のため、地域のため、日本のため…というのは当然の事業意義であって、その宣言に何の意味もありません。

 

具体的とは、何でどのようにという方向性、質的な目標です。そして、売上利益、販売数量といったスピード感が量的な目標です。その必達を前提に高いところに設定するということです。

 

その上で、地域一、日本一、アジア一、世界一…という高い目標の階段を上っていくことが経営の飛躍であり、こうした目標達成を目指すチーム単位が企業であり、集まって働くことの意義といえるでしょう。

 

計画は仮説検証になっていますか?

経営は目標別組織だと従業員に伝えていますか?

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