【第483話】成熟経済時代の存続発展に欠かせない新たな競争軸とは?

「やはり、コロナで考え方が変わりましたね~」と社長。こちらの社長、歳は近いのですが既に社長業20年の強者。後継社長ではありましたが、引き継いだ事業をしっかりと立て直すと共に、ご自身で立ち上げた新事業もしっかりと十億超えを果たしていらっしゃいます。

 

しかも、この十億超え、新たな市場創造に挑戦した自社看板の新商品であり、決してどこかの仕事を請けて…といった売上ではありません。

 

どのように考え方が変わったかといえば、保守やリベラルといった一般的に言われるような分類に依ることなく、「ちゃんとした処」、「どこにも属さない」、「確かなことへの帰属」だと仰るのです。

 

日本は戦争の反省を踏まえ、戦後、「確かなこと」を目指し、科学技術にその発展を求めました。その結果、日本は技術立国として目覚ましい発展を遂げたことは言うまでもないことでしょう。

 

ところで、古くからの中小企業の多くが、同族から後継社長を選出するため、経営者の子供は経営者という傾向が生まれます。

 

特に地方ではその傾向が強く、跡継ぎとしての意図を背負って育つ経営者は、ある意味での帝王学のような思想を持って育てられるため、とてもたくましく、時にわがままに見えることもあるでしょう。

 

こうして、古くからの企業、古くからの業界、古くからの慣習…といったことが多くを占めることとなり、やや保守的で横並びな思想が形成されがちです。

 

これに対して、こうした古い慣習をぶっ壊す…といった、リベラル寄りの改革思想が生まれます。こうした経営者はご自身を起業家と呼んだり、後継者ではないという意味で名刺にファウンダーと書かれていたりします。

 

面白いのは、保守的な経営が着実に研究開発を進め高収益化する一方、変革を目指す挑戦的であるはずのリベラル的経営が低生産に留まっていたりします。

 

それはともかくとして、昨今、創業事業を一気に数十億にまで成長させている経営者に共通するのは、保守やリベラル、こうした思想的な違いではなくなってきていることです。

 

これが前述の社長のおっしゃっていた「確かなことへの帰属」であり、こうした傾向が強くなっています。

 

では、ここでいう「確かなことへの帰属」とは何かといえば、それは一言でいうならば「文化」です。自社独自の経営文化、商品サービスが表現する文化的価値観、組織運営上のカルチャー…といったことです。

 

経営は「棲む世界」が大切などと言われますが、それをより具体的に理解するために従来的な切り口が通用しなくなっています。

 

そして、「どんな文化に棲んでいるか」、「どんな文化を育もうとしているのか」といった、いわば“文化軸”ともいえることが存続発展の競争軸となってきているのです。

 

ちなみに、経済の成熟期、人口減少時代には文化的な華が咲くと言われています。こうした史実からも、この傾向は確かなものでしょう。

 

少し考えれば分かることですが、足りてる時代、新たに何かを購入するというのは、足りないからではないし、単に必要だから、欲しいからというものでもありません。このため、購入とは、その商品サービスのみならず、その経営への賛同を伴っています。

 

大切なことなので改めてお伝えすれば、これからの時代、経営の存続発展には、商品サービスが醸し出す文化レベルが問われているということです。

 

経営の進歩発展にあたって、新しい文化的な匂い、文明開化の音…、こうした文化的表現力が収益性と直結してくるようになっています。

 

ここでより実務的に文化軸とは、ちゃんとした科学に立脚した技術力、芸術性ある表現力、文化的なコミュニケーション力といった地に足の着いたことです。

 

経営者としてこれから10年の存続発展を考えるならば、ご自身なりの“文化意識”を培うことが肝要です。

 

新商品の企画、新事業の構築には新たな文化が匂っていますか?

経営思想は地に足のついた文化軸を伴っていますか?

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