【第431話】新商品・新サービスを成功させる独自性開発の原理原則

「やっぱ、自分のビジネスやるのが良いね。上手くいかなかったとか、大変だったとか…、私も色々と経験してきたから」と社長は笑いながら話されます。

 

こちらの社長、昨今は自社独自の商品サービスで新たなビジネスを展開され、どれもしっかりと成功を収められています。

 

実のところ、これまでには大変なご苦労もされていて、こうした経験を今に活かして、ご自身でお考えになった独自ビジネスを展開され、そうした挑戦的な領域で結果を出し続けています。

 

当然のことながら、本物の事業経営というのは賭けみたいなものです。経営は未来活動ですから結果などやってみなければ分からないことは明らかです。

 

ただし、社長人生、経営者人生も10年、20年となってくれば、成功要因や得意領域、あるいはかつてのビジネスがなぜ上手くいかなかったのかという失敗要因についても、ご自身で分かるようになってきます。

 

そして、こうした経験を通じて、賭けにも勝算があり、その勝算を上げていくための思考術を身に着けていかれます。

 

このように思考術が一定の成功領域に達しておられる経営者は、次なる打ち手でも勝算高く当てていくようになられます。そして、粛々とご自身らしい道、独自路線の成長発展を歩まれていきます。

 

こうした存続発展を賭けた打ち手の企画検討にあたって、絶対的に大切な思考の入口があります。それは、前述の社長が既に言っていることです。「自分のビジネス」を考えるということです。

 

自社でやるんだから何をやったって自分のビジネスじゃないの?とお考えかもしれません。しかしそうではありません。

 

大切なポイントなのでもう少し補足すれば、世の中のビジネスを大別すれば、潜在市場に賭けて切り拓いたビジネスと、顕在市場に便乗して分けてもらったビジネスがあるのです。

 

ちなみに、今の時代、足りてる時代、成熟経済にあって、どちらの経営者が苦戦しているか…といえば、言わずともお分かりのことと思います。

 

だからこそ、顕在市場への便乗経営を脱して、潜在市場を切り拓く開拓経営を目指すことが、新商品・新サービス企画の入口意識として大切なのです。

 

面白いのは、顕在市場に便乗している経営者に限って、開拓、挑戦、革新…といったことを語りがちです。

 

その理由は単純です。意識高い系だけで商品サービスの違いを語ろうとしているというのは、商品サービスで負けてるからです。

 

新商品・新サービスとして、良く練られていたり、思想的に高度であることは、当然、求められることです。

 

ただし、そうした高い意識とは、新商品や新サービスへのあくなき情熱、誰から頼まれるでもなく探求していくべきことあって、それは単に意識高い系とは根本が違います。

 

経営とは世の中への貢献ですから、進歩発展、課題解決、利他…といったことが経営者意識として大切であることは言うまでもありません。

 

と同時に、経営において事業や商品・サービスというのは、お客様から対価を頂戴する以上、何らかの点で優れているかどうかの競争であって、その背景にいくら立派な意識を持っていたとしても、それは営業トークにはなり得ないのです。

 

経営の強い存続発展を目指すならば、世の中への貢献は前提として、自社の商品・サービスを高めて磨き込んでいくことが不可欠です。

 

こうした入口の違いを分かった上で、ご自身で考えたならば、それは必ずいずれ独自性あふれる新商品、新サービスに仕上がります。まだ売れないのは磨き込み不足であり、その先には必ず新たな独自市場が待っています。

 

御社の新商品・新サービスは、どちらの“売れそう”に賭けていますか?

どうせ賭けなのですから、自分のビジネス、やりませんか?

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