【第429話】新年、これまでから抜け出す“企画会議”の始め方

「メルマガいつもありがとうございます。先週のコラムを読んで現状の経営会議から独立させて企画会議を始めてみようということになりまして。開発意識で…ということですが具体的に何から始めたらいいですかね」とのご連絡。

 

こちらの社長、以前から面識があり酒席も度々ご一緒してきた方。会社は工業団地でも一際目を引く自社ビルをお持ちの製造業で、請負的な仕事もこなしつつ自社看板の製品開発にも積極的に取り組まれてきました。

 

よって、既に開発マインドもお持ちではあるのですが…。聞けば、今が悪いのではないけれど足りていない。

 

経営会議がマンネリ化、新製品開発も開発部隊のルーティン業務と化し、ある意味で計画的な範疇では物事が進んではいるものの、ここ一発の突破力に乏しいとのこと。

 

こうした想いから、経営陣とも話して、経営会議とは別に企画会議を始めよう…となったようです。

 

なので、「ぜひぜひ、そうされることをお勧めします」とお伝えしました。そうお勧めするにはもちろんしっかりとした理由があります。

 

というのも、経営というのは、会社全体のことや世の中との関係を整えようとすることです。このため、経営会議はどうしても“調整的”になりがちな運命を持っています。

 

ですから、こうした場で、社長がイノベーションだ、ブレークスルーだと叫んだところで、他の議題は会議を通じで落としどころへと調整されているのですから、このイノベーションも他の議題と同様、可能な範囲に調整されてしまうのです。

 

一方、企画とは、新事業や新商品サービスの開発勝負です。このため、企画会議は存在自体が“挑戦的”なため、そうした意識で議論を進めやすくなります。

 

このため、企画会議では、新事業や新商品サービスの開発勝負、他社とも競いながらお客様相手に結果を出すという目的がハッキリとしているため、開発が難しい、予算が足りない、誰がやるのか…といったことの一切を含めて、何とかしながら進めていくことを議論しやすくなるのです。

 

大切なことなので補足すれば、経営レベルと事業・商品レベルで意思決定の目的と判断基準が違うということを理解しておくことが大切です。

 

経営レベルの問題は理念との整合性、事業レベルの問題は勝ち負けのことです。

 

前述のような一般には十分に挑戦体質な企業であっても、経営会議がマンネリ化するものです。

 

だからこそ、経営会議とは別に、意図して企画会議を設けることを強くお勧めしています。もっと言えば、組織に「企画室」を設け、組織図に記載して欲しいのです。

 

当然のことながらそんな人員、最初はいないでしょう。ですから、構成メンバーは兼任で構わないので、そうした挑戦的な目的の会議体を組織図内に設置して頂きたいのです。

 

前号のコラムでは企画力を下請脱却の文脈でお伝えしました。下請的経営とは取引構造や取引系列上のことではなく、市場に従った経営である…と。

 

独立自尊、独路線の経営を豊かに歩んでいくためには、例え初めは小さかったとしても自らが市場を切り拓いていく挑戦意識が不可欠です。

 

そういう意味で、新事業の構築、新商品サービスの企画開発といった企画会議の本質は、市場活動、お客様活動だということです。

 

ただし、その市場活動・お客様活動とは、今ある市場からもらうような営業活動のことではありません。新しい視点、新たな価値軸を企画開発して、それを商品サービスというお客様が購入可能なところまで完成させてお届けするという一連の挑戦活動なのです。

 

今年、頭一つ抜け出しませんか?

そのために企画会議、始めませんか?

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