【第273話】社長の仕事意識が成長発展を分かつ理由

「新年は勝負の年」、元旦というちょっと特別な時間の切れ目にあって、経営者のみなさまにおかれましては、そんな気持ちを新たにされていることと思います。

 

ところが、この大切な勝負にどのように取り組んでいくのかという具体的なこととなると、「もっと頑張る」、「本気を出す」、「より動く」といったことで、実のところ既定路線であったり、そこで運動量を増やすということだったりすることが多いのも事実です。

 

もし、ご自身のビジネスのインパクトをもっと高めたいと思うならば、運動量を増やすことも大切ですが、いったん立ち止まって、ご自身のビジネスに今とは違う入口から入り直してみることが大切です。

 

なぜ、こんなことをお伝えしているかといえば、その理由は実にシンプルです。ビジネスを質的に変えて、収益性を高めようとするならば、その方法しかないからです。

 

ところで、経営者の仕事とは「仕事を創ること」です。このため、新事業の立ち上げにあたっては、経営者のこの“仕事”に対する意識が如実に現れます。

 

ちなみに、「社長でありながら本当に仕事を創っている人は少ない」という実態があります。当然のことながら、これは仕事についての考え方の違いによることですから、正解があるといったことではありません。

 

ところが、このことが成長できる可能性、成長ポテンシャルに決定的な違いをもたらしているということに気付いていないことが多いのです。それは経営者としてとてももったいないことではありませんかとお伝えしています。

 

まず、仕事創りの出発点として最も大切なことは、御社独自の「製品・商品・サービス」を創ろうとしていますかという点です。

 

このことがなぜ最も大切かといえば、「製品・商品・サービス」というのはお客様にある機能や便益を提供するということです。これは、言い換えるならばお客様に付加価値を提供していることでもあります。よって、お客様も喜び、その付加価値が自社側の利益を生むことにつながります。

 

では反対に、自社の「製品・商品・サービス」を創ろうとしていない仕事とは、一体、どんなことなのでしょうか。

 

それは、お客様企業の内部で実施することを代わりにやる仕事です。これはつまり、お客様の側が仕事を創っていて、それを実行するために労働力として調達されている構図です。

 

こういった仕事が、なぜ独自性を宿すことができないか、なぜ高収益を実現できないか…といえば、ちょっと考えれば分かることです。

 

それは、その仕事の仕様は客先が決めていることですし、さらに言えば、それを外注に出すということは、その仕事が極めて高度なものでない限り、客先で実施するよりも安いからに他ならないからです。

 

このため、高収益を実現していくことと、独自路線の成長発展とはいわば同義語であり、これは、自社独自の「製品・商品・サービス」を通じて、お客様に付加価値を提供することで高収益を実現していくことへの試みなのです。

 

経営にあたって「採算を創る」ということが言われます。これは、どんな商売であっても創意工夫で黒字にすることができるという先人たちの教えです。

 

自社が客先の代行業に留まっていたとするならば、その仕事に自社でネーミングできるような一つの「仕事単位」にくくり直して「製品・商品・サービス」化してみる創意工夫が大切です。

 

この思考プロセスは、考えていくことで結果的に独自の答えを生み出すことであって、どこかの「儲け話」を探すこととは根本が違います。実際、高収益と尊敬を集めている経営者の“仕事”が、どんな仕事単位になっているかを見回していただければお分かりいただけるはずです。

 

例えまだ小さかったとしても、ご自身で創った“仕事”に情熱を注いでいくことが、豊かな成長発展を歩んでいくために欠かせません。

 

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