【第252話】新商品の売れ行きがイマイチな時の次の一手

「新商品の販売を開始したのですが、実はお客様の反応がイマイチで…」というご相談をお受けします。

 

WEBサイトの閲覧も全然、お問合せは皆無、ましてや商談など…。やっと商談になったところが、お買い求めいただくどころかダメ出しをお土産にいただく始末。「こんなはずでは…」と思いながら飲むビールは何とも苦く感じます。

 

当然のことながら、まだまだここからが勝負どころなのですが、社長の頭は「失敗かも、開発努力が水の泡、資金が…」といったことで頭が一杯になり、そうなるともうこの状況から抜け出たいとばかりに、開発時の情熱が失せて、次の一手に気持ちが及ばなくなってしまったりします。

 

こういった際、「では、私をお客様だと思ってセールストークしてみていただけますか?」とお願いしています。

 

ここで大切なのは、「新商品の説明」ではなくて「セールストーク」だという点です。

 

簡単そうにも聞こえますが、これが結構難しいのです。当然のことながら商品を開発してきたのですから、その商品について説明することはできます。

 

しかし一方で、「売る」という立ち位置になった途端に、言葉がつまったり、逆に言葉数が多くなったり、状況によっては手が震えたりと、不思議な空気感が漂います。

 

商品を開発して、販売を開始できるレベルにまで仕上げ切るというのは大変なことです。実際に作ってみれば、思うような仕上がりにならなかったり、予想もしない生産トラブルなどが起こるものです。これを一つ一つ潰して、やっと新商品をカタチにしてきたのです。

 

そのご苦労には頭の下がる思いです。ですから、その努力を結果につなげるためにも、一呼吸置いて、もう一度、力を込めて新商品を新たなビジネスに仕上げていく次の一手に踏み出すことが大切です。

 

こうした時、「次の一手と言われても…」とお考えと思いますが、状況打開に進んでいくためにも、なぜ次の一手に意識が及ばないかということを整理しておくことが大切です。

 

それは、「新商品が完成している」と考えているからです。確かに商品は物理的に完成しているのですが、それを完成と考えているから次の準備に進むことができないのです。

 

我々が行っているのはビジネスです。新商品の完成とは物理的に出来上がっていることではなくて、「採算が取れるほどに売れる」ことが完成の姿です。

 

ですから、「採算が取れるほどに売れる」レベルにまで準備していくことが次の一手を進めていくことです。ビジネスという視点から見れば、まだ完成していないのです。

 

では、どうすれば良いか…、ということですが、実は既にヒントをお渡ししています。それは、「採算が取れるほどに」ということです。

 

商品は、本来、原価相当の価値を持っています。材料を加工して商品にしています。この労働によって、材料よりも高く売れる商品を作っています。つまり、ビジネスとは価値を付加することを考えています。

 

ビジネスは赤字でやるなら誰にでもできることです。一万円札を9千円で売れば、売上9千円で赤字千円の繁盛商売が出来上がるということです。

 

難しい話をしているのではありません。価値を付加するからビジネスとして採算が成り立ちます。この原則的な思考に立ち返れば、新商品のお客様の反応がイマイチなのは、価値を付加することが足りていないからです。そのため、お客様は価格相当の価値を感じてないのです。

 

もう一度、お伝えします。「新商品は完成していない」のです。もうちょっと何とか価値を付加することを考えてみることが大切です。

 

ここまで来たのです。商売繁盛はもう目の前まで来ています。あと一歩、もう一捻り、価値を付加することができないか…、あきらめずに、次の一手を踏み出すことが大切です。

 

そのまま売ろうとせず、一旦「未完成」と考えませんか?

もうちょっと、価値を付加することを考えてみませんか?

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