【第521話】ゼロイチ社長のための新事業立上げ投資の実務

「次の〇〇事業立上げを目指していて、そのために3人を専任にしてチームを作りました」と社長。

 

こうした新事業、新展開をいくつも経験して、その大変さを分かっている社長は、適切なメンバーを専任して必ずプロジェクトチームを組成します。

 

これは、まだ見えぬ新事業、これからのビジネスを創る際、その本気度を示すためにも、会社の中で最初に見えるのがこの「プロジェクトチーム」だからです。

 

ちなみに、“プロジェクトチーム”とは、特定の目標達成に向けて組織横断的、期間限定的に組成されたチームのことです。

 

ここで、用語の定義はどうでもいいとして、大切なのは「プロジェクトチームを立ち上げるということの意味は、目標達成を絶対に目指すという宣言」だということです。

 

ですから、経営者としては、そのための自分の時間、開発費、メンバー人件費…といったことに投資する覚悟を決めているということに他なりません。

 

ただし、こうした新事業立上げプロジェクトチームの組成にあたって、絶対的な条件があります。

 

それは、社長、経営者クラスがリーダーを務めることです。当然のことながら、新事業の立ち上げというのは経営マターのことです。そうであるならば、リーダーは経営者でなければなりません。

 

稀に、自分は経営者だから仕事というのは従業員にやらせるもの…だと考えている方がいらっしゃいます。

 

よって、新事業の立ち上げを何人かの従業員にやらせようと思っているので、後はご指導ヨロシク…ということが起こります。

 

確かに、間違いではない部分もあります。それは出来上がった事業の日々の運営、決められたルーティーン業務というのは従業員の仕事です。

 

ですから、新事業がその延長線上にあるのならば、そうした考え方もまかり通るかもしれません。

 

ただし大抵の場合、新事業というのは、そうした延長線上にないから新事業なのです。

 

当然のことながら、経営者も人間ですから、従業員の意見を活かそうとしている、現場の声も聴いている、そうした挑戦的な機会も提供している…と、良い経営者を演出したいのかもしれません。

 

こうした従業員頼みに見切りをつけ、自分がリーダーになったら失敗はできない…に覚悟を決めることが大切です。

 

この覚悟が、新事業立上げプロジェクトを単なる社員研修に終わらせることなく、次なる道を拓くことにつながります。

 

ここで、新事業立上げとは投資だということです。先に出て後から返ってくる…これが投資のスキームです。

 

では、どのくらい先行投資すれば良いかといえば、それは経験則から分かっていることがあります。

 

一般に“プロ”を養成するために必要な時間は「1万時間」と言われています。仮に前述の社長の場合、スタッフ3人を専任していますから、ご自身を除いて次のような予算が成り立ちます。

・月の労働投資:スタッフ3人×7時間/人・日=21時間/日×20日/月=420時間/月

・目標達成期間:1万時間÷420時間/月≒23.8月(約2年)

 

あとはこの投資を、成功水準にまで仕上げていくことを目指して、外部ノウハウなども活用しながら、いかに効率的・短期的に実現していくかをマネジメントしていくことです。

 

稼げるプロレベル達成に欠かせないこの1万時間の投資を惜しむのではなく、しっかりと1万時間を投資してそのリターンを最大化しようとする意識が大切です。

 

稼げるプロレベル醸成に必要な投資を惜しんでいませんか?

経営者としてそのための覚悟を決めていますか?

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