【第71話】販売不振を切り返す2ステップ絶対手順
「販売に陰りが。。。」
経営が顧客創造・需要創造である以上、例え今は大丈夫だったとしても、販売拡大は常に考え続けなければならない問題です。
販売が思わしくない状態になってきた時、大抵の経営者殿は「商品は良いモノなのに売れなくなってきた」と考えます。つまり、自社の商品にはまだ自信があり、主に売り方に原因があると考えてしまいます。
この結果、新しい販売チャネルとしてネットで売ってみたり、営業スタッフを研修に出したり、広告を打ってみたりします。ですが、状況は改善せず。
そして、ネットで売っても無理だ、営業スタッフはやる気が無い、広告なんて無駄だ。。。といった結論に達してしまいます。ですが本当にそうでしょうか。
存じ上げている社長殿はネットを使った販売でヒットを飛ばしているし、営業マンを全く持たず販売代理店を使って販売を伸ばしている企業もあります。営業マンはごく少数で主に広告で販売を行っている企業もあります。
外から見ると同じような方法を使っているのに、結果を出せる企業と出せない企業がある。。。これはなぜでしょうか。
実は、販売不振の症状のほとんどは売り方に原因があるのではありません。商品に問題があるのです。
そもそも論として、欲しいものがあれば欲しいのです。欲しくないから買わないのです。欲しくないモノをネットで売っても。。。欲しくないモノを営業マンに説明されても。。。欲しくないモノの広告を見ても。。。お客様は反応するはずがありません。
売れる商品を作れといっても。。。そんなに簡単に作り変えることはできない、当社の商品は他社との差別化が難しい、もう在庫があるからこれを売るしかない。。。といった声が聞こえてきそうです。
ですが、ここで“売りモノ”と言っているのは何も商品だけの事を指しているのではありません。ヒントとして、中古自動車屋さんを例に挙げてみたいと思います。
中古自動車屋さんとして新興の元気企業をお見かけします。商品はもちろん中古の自動車です。自動車を下取りしたり、オークションから仕入れてきたりしてそれを売っています。
ですがなぜ老舗企業を差し置いて新興の企業が台頭してくるのか。それは新興企業は車に附帯するサービスを変えているということです。
当社で購入したらオイル交換・バッテリー交換永久無料、車検格安パック、タイヤ交換預かりサービス。。。つまり新興企業はいわゆる条件提案を売っているのです。そして、こういった条件提案は、実はお客様との関係維持の仕組みであったりもする訳です。
“売りモノ”とはこういった提案全体を指すものです。提供の方法であったり、アフターサービスであったりと、その全体を含めて“売りモノ”ということです。
販売不振を切り返したいと考えた場合、先ずは“売りモノ”に立ち返ってしかりと全体を整える必要があります。
“売りモノ”の欲しい度を上げてからじゃないとスムーズに売れません。仮に売れても長いセールストークや訪問回数が多くなる等、クロージングまでの販売効率がとても悪く、結果として採算性は悪化していきます。
そして“売りモノ”の付加価値が消滅しつつあるのですから、売れたとしても利益はほとんど出なくなります。
販売不振とは“売りモノ”が時代遅れになってきたことの症状です。取り扱っている商品は同じでも“売りモノ”として他社に負けはじめているのです。
先ずは、欲しい“売りモノ”へと商品を整えなおしてから、販売チャネル、営業マン、広告といった顧客との接点を増やすという2ステップを踏むことが大切です。
御社の“売りモノ”は魅力的な提案になっていますか?
商品へのこだわりを“売りモノ”へのこだわりに拡張していますか?