【第486話】結果を変えたければ計画から

「来期の計画、変えたいと思ってまして、今からでも間に合いますかね…」と社長からのご連絡。

 

来年度の経営計画策定が大詰めの時期を迎えていますが、これじゃダメだと感じてはいるものの、何がどうダメなのかについてハッキリしない…とのこと。

 

ここで詳しいことをお伝えすることはできませんが、まず大切な視点は「計画」にはレベル感があるということです。

 

このレベル感には大きくてハッキリとした境目があって、その下側とその上側で、全く違う「計画」が策定されます。

 

まず下側ですが、これはいわゆる「アクションプラン」です。

 

アクションプラン…行動計画ですから、どんな行動をどんなタイムスケジュールで行っていくか…が計画されます。

 

例えば、こうしたアクションプランは、〇月までに△の手続き、×月までに銀行融資申込み、□月までに仕入手配、〇月までに従業員採用…といった感じです。

 

このように、実施すべき行動が計画されているレベルです。

 

当然のことながら、経営の実務を動かしていこうとするならば、こうした具体的な行動を伴わなければなりませんので、こうした行動計画も大切であることは言うまでもありません。

 

ただし、こうしたやるべき行動を積み上げたとして、果たして経営が存続発展できるものなのでしょうか?

 

こうした行動計画というのは、確かに計画ではあるのですが、いわば「夏休みの宿題計画」に過ぎないということです。

 

もし、経営が「誰かに決めてもらったことを実行すればお代金がもらえる」、「決められたことさえやれば存続できる」だとすれば、計画もこうした行動レベルでこと足りるでしょう。

 

ただし、その上側に棲む企業にとって、計画の根本は異なります。

 

ここまでお読みいただいた皆様はもうお分かりのことと思います。冒頭の社長、経営を大変伸ばされているということです。

 

つまり、経営が高まってきて上側に棲むようになってきたことで、これまでの行動計画レベルの計画では「足りてない」と本能的に理解されています。

 

難しい話をしているのではありません。経営にもレベル感があって、上側に棲む経営者にとって、計画とは新たな道に存続を賭けた挑戦計画だということです。

 

ではどのように「挑戦を計画するのか」といえば、その答えはシンプルです。それが「仮説検証」です。こうしたらこうなるのではないか…を計画するということです。

 

「こうなりたい」という目指す結果状況から逆算して「こうしたら」を計画するということです。

 

上側の経営において、計画とは「仮説」を立てることです。ですから、実行は単なる実行ではなく、その仮説を「検証」することに他なりません。

 

こうやったらこうなる…のではないか…を事前に考えて、それを実行してみることで、その結果として仮説の確からしさを試行しているのです。

 

こうした性質から、上側の計画を立てるために大切なことは「考える」なのです。これが、一流は考え方を求め、二流はやり方を探す…と言われる所以です。

 

確かに、継続も力ではあるのですが、今をカイゼンしていくだけで、経営の存続が保証されるはずもないことは言うまでもありません。

 

目指す未来に対して独自の仮説を持とうとする勇気が大切です。これが計画であり、計画時点での仮説が試されています。

 

御社の計画は行動計画に留まっていませんか?

計画は独自の仮説を検証しようとしていますか?

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