【第448話】教習所とレーシングスクール、経営スタイルの違い

「おかげさまで、あれから3年…、何とか飛んでるといえる状況になりました」と社長。声にも顔色にも、あの頃には見られなかった自信がみなぎります。

 

当時、渾身、自社看板の商品はでき上がっていたものの販売が思ったように伸びず、在庫の資金圧迫から、始めは資金調達のご相談だったことを思い出します。

 

当然のことながら、経営課題としては資金力ではなくて商品力。そのことをお伝えし、商品コンセプトの見直しと販売強化に取り組み、新事業は何とか首の皮一枚で資金的にもテイクオフして、今は看板商品になっています。

 

こうした際、大切なのは「商品力」とお伝えしていますが、実のところもう一つ奥深いところに本当の課題があります。

 

それは、経営者の意識の持ち方です。新商品を世に出していくにあたって、既存の競合商品のレベルを見て、このくらいなら自社にもできる、商売になる…と考えてしまうことです。

 

こうしした経営意識というのは、合格基準を外部に頼っているということです。つまり、何らかの正解、合格レベルがあって、それをクリアしさえすれば、何とか商売になるだろう…と考えているということです。

 

こうした合格意識というのは、“教習所”に似ています。法規走行という求められる基準があって、それをクリアできれば合格…です。

 

こうした意識というのも確かにビジネス、経営には大切です。ただし、それは下請けビジネスの場合だということです。

 

発注仕様に対して約束の水準で応える…というタイプのビジネスです。仕様に応えることで代金を頂くことができます。

 

一方、そうではないビジネスもあります。それがメーカー、自社看板で商品を世の中に送り出すようなビジネスです。

 

こうした自社看板の商品の場合、お客様からこれで合格…と言っていただける基準はありません。

 

お客様からの判断基準は、買っていただけるかどうか…。とても厳しい結果基準です。

 

当然のことながら、こういう仕様を満たしたならば買う…などとお客様から予め言っていただけるはずもありません。

 

こうした経営は“レーシングスクール”に似ています。競技の結果に対してノウハウが提供されます。

 

これまでの類似商品もあり、これまで以上の商品を探求して、そのためにありとあらゆるスキルを習得してこれまで以上を目指す…というものです。

 

こうした経営というのは、挑戦ビジネスであり、その挑戦基準は誰かが決めてくれるものではありません。もっと先へ…、自らが求めることです。

 

自ら求め、自ら挑戦し、その結果、お客様がそれを認めて下さる…というものです。

 

こうしたレースでは、お客様から先に合格基準を示していただくことなど有り得ません。自ら求め、結果、お客様から認められる…という順番です。

 

難しい話をしているのではありません。経営において自社看板で勝負しようと目指すならば、その目標も他社比較ではなく、まずは自らで目指す意識が大切です。

 

単純な話、試合相手が手を抜いてくれるはずはないのです。ただし、試合もいろいろです。決して世界大会、オリンピック…といった試合だけではありません。

 

ビジネスに依っては、新しい競技であることもありますし、競技のステージは地方大会、ニッチ大会でも良いのです。

 

いずれ、自社看板で勝負していこうと目指すならば、大切なのは、ご要望にお応えするという請型意識を捨てて、自ら求める開発意識、挑戦意識を燃やしていくことが大切です。

 

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