【第335話】商品名をアルファベットにすると売上が1/3しか期待できない理由

「説明しないとなかなか売れなくて…、そもそも説明商品なので仕方ないと思ってはいるのですが…」と、今のままだと頭打ちの現状を仕方ないと思いながらも何とか打開したいとお考えの様子です。

 

そこで、これまでの訪問型営業を変更して、DM(ダイレクトメール)とWEB会議で受注を獲得していくことを目指すインサイドセールスの営業体制構築に着手しました。

 

このプロジェクトの開始にあたり、まずお伝えしたことがあります。それは、この取り組みはインサイドセールスという手法を導入することではなくて、商品力をお客様に伝わるように整え直すことに本質があるということです。

 

具体的には、商品DMを作り直すと同時に、そのタイトルとなる「商品名」を変更することについて了承できますか、というものです。

 

実のところ、この商品、もっと売れてもおかしくないなと感じたものの、商品名が…という状況だったのです。

 

どのように商品名が…だったかというと、その理由は極めてシンプルです。商品名を聞いてもどんな商品、何の商品だか分からなかったからです。

 

まず前提として、中小ベンチャー企業の社名など、誰も知らないということです。これを言い換えるならば、信用がないのです。

 

では、商品の販売を伸ばしていくことを目指して、社名を知ってもらおうなどと考えたならば経営はどうなるかということです。回りくどくて投資コストの回収などおぼつかないことはすぐにお分かりいただけるものと思います。

 

実際、お正月になるとテレビで流れる社名だけのCM、ブランドイメージ広告で社名を覚えたでしょうか。あるいは、その企業に何か注文したり買ったりしたでしょうか。

 

多くの人が見る時期なので…などという広告代理店の営業トークに社長の自尊心がくすぐられて、節税効果もあるからといった言い訳を胸に何十万円、何百万円もの利益をドブに捨てるくらいならば、見込み客にDMを送った方が何倍も有効的なことは明らかです。

 

信用とは「知られる」ことではなくて、「何で知られるか」なのです。つまり商品サービスで知られることが先で、そこから信用、ブランド力へとつながっていくものです。

 

大切なことなので補足するならば、中小ベンチャー企業はまず商品サービスを買ってもらって、そのお客様に応えることで信用が積み上がっていくという絶対的な順番があるということです。

 

こうした中、商品売価を上げたいためにブランド化したい…といった文脈において、間違う典型的なパターンがあります。

 

それは、商品パッケージを高級感あるものにしてみたり、商品開発の背景をストーリー化してみたりというものです。そういった一連の取組みの中で最も失敗の原因となるのが商品名をアルファベットにすることです。

 

例えば、「漬物」を「TSUKEMONO」と書けば、どうなるでしょうか。確実に売れなくなります。その理由は、商品名から得られる情報量が減って「分からなくなった」からです。これは冗談などではありません。

 

商品名をアルファベットにすることで何やらブランドイメージが上がったように感じるかもしれません。しかし、これは情報量が減ったことで「何やら知らない新しいモノかも…」という需要喚起を期待しますが、これがマヤカシであることは言うまでもありません。

 

英語は音の言語であり、文字は発音記号を意味します。つまり文字自体に意味はありません。一方、日本語は文字の言語であり、漢字には一文字ずつに意味があります。日本人はその意味を深く感じることができますし、早く読み取ることもできます。

 

私レベルの翻訳力の場合、日本語で書いた文章を英語にすると、文章量が概ね3倍になります。これを逆から考えるならば、英語にしてしまうと情報量は1/3になってしまうのです。

 

商品販売において商品名がアルファベットであったならば、この時点で情報量が1/3となり、更に読むのに時間を要するともなれば、販売力が1/3以下になってしまうのは当然の結果なのです。

 

商品名は伝えるべきことを日本語で伝えていますか?

つながりある新商品展開で信用を積み上げていますか?

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