【第43話】販売不振を切り返す“タメ”の創り方

「売上が下がってきているので販売にテコ入れしたい」、「新規の受注を拡大したいが上手くいかない」、「当社の営業部隊を鍛えてほしい」、「集客を高めたいがどうしたら良いか」そういったご相談は多いかと。

 

あれもやってみた、これもやった、でも状況が改善しない。手詰まり感に襲われ、後は何から手を着けて良いやら。そう考えながら時間だけが過ぎていく。

 

こういったお話の「やった」には3つの共通点があります。それは「思い付き」の「直ぐにできること」ばかりを「単発」で実施していること。

 

神がかり的な外部環境の変化でもない限り、そのままの延長線上の努力で状況を改善できたという話は聞いたことがありません。何か根本にさかのぼって打ち手を考える必要があります。

 

売上トレンドが長期に渡って下向きなのは、販売方法がまずいのではなく商品・サービス自体が時代に合わなくなってきていると考えるべきなのです。つまり、原因を販売方法や営業スタッフだけに求めるべきではないのです。

 

そして、商品・サービスに合った販売方法が必要だということもお伝えしています。販売方法も商品・サービスの一部なのです。

 

「東京ばな奈」が売れ続けている理由は、商品そのものの美味しさ、分かりやすいネーミングや絶妙な価格設定だけではありません。ビジネスバッグに入れやすい、持ち帰りやすい大きさの箱で売っているからです。

 

みなさまもお気付きかと思いますが、時代とともに商品・サービスの概念・範囲はとても拡がっています。

 

例えば、お寿司が食べられないような時代には、お寿司が食べられること自体が嬉しさの源泉でした。しかし、どこでもお寿司が食べられるようになれば、親方はどこで修業した人なのか、どこのお魚か、どういった調理法か、どのようなサービスか、お寿司に合わせる日本酒は何か。。。このようにお寿司屋さんであってもお寿司そのものだけでそのお店の魅力が決まるわけではなくなっていきます。

 

足りている時代、商品・サービスはお客様から見て選ぶ理由が分かるようにまとめ上げられていなければならないのです。

 

お伝えしたいのは、販売のテコ入れにあたっては、必ず一度自社の商品・サービスまでさかのぼって、時代に合ったモノへと見直してあげる必要があるという事です。そのためには一瞬立ち止まって、“タメ”を創った上で、切り返していくことが絶対的に不可欠なのです。

 

商品・サービスを見直すのは大変だ、という声が聞こえてきそうですが、何も商品やサービスそのものを根本的に見直そうといっているのではありません。商品・サービスの特長を捉え直し、自社の提供姿勢を踏まえて、その特徴をお客様に刺さるカタチにまとめ直しましょうと申し上げているのです。

 

商品・サービスそのものの見直しというよりはむしろコンセプトをクッキリ・ハッキリさせましょうということです。コンセプトとは「商品提供に対する基本的な考え方」です。

 

その際、自社の強みからまとめ直すのが鉄則です。他社がこんなやり方をして上手くいっているからなどという、見様見真似は絶対に良い結果を生みません。

 

そして、もう一つコツがあります。それは、コンセプトを今よりも、もう一段上げるということです。もう一段上げる、とはお客様から見てよりその商売の専門家に見えるように仕上げるということです。

 

自社のコンセプトを固める。自社の考え方を先に示すから、お客様はそれに反応してくれるのです。こちら側から先にコンセプトを示し、それを現す商品・サービスへと仕上げる努力をしている。この大変難しい過程を経ているからこそ、その先の販売方法が活きてくるのです。

 

こんな売り方もダメ、こんな売り先もダメ、こんな広告もダメ。。。販売の手段レベルだけで迷路の中を走り続けている方をお見受けします。一旦立ち止まって、自社らしいコンセプトを創り直し、その下で看板商品を構築することが迷路からの唯一の脱出法です。

 

販売方法の手段だけで迷走を続けていませんか?

自社のコンセプトをハッキリさせる思考的努力をしていますか?

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