【第257話】企業が成長発展を目指さなければならない本当の理由

「最近の若い人は全然、勉強しない」と、社長が駐車場まで見送ってくださりながら、我慢の一言が漏れます。

 

至近の業績安定にあっても、社内プロジェクトを立ち上げて、新事業の構築を目指されています。そういった中で、チームの動きが言われたこと程度に留まってしまっていることで、堪忍袋の緒が…、怪しくなってきています。

 

それもそのはずです。日常業務ならまだしも、新事業の立ち上げや新製品の開発といった加速的で重負荷な取り組みともなれば、チームメンバーそれぞれの貢献意欲や技術能力といったものがより一層、コントラストとなって見えてきてしまいます。

 

また、とある社長は、プロジェクトの進捗が思わしくない際、今後のテコ入れの方向性をお伝えしたところ、「ウチの社員、こんな感じですみません」とのご返答をいただくことも。全責任を負って物事に取り組まれているその姿勢に改めて頭の下がる思いがします。

 

当然のことながら、経営者にとって従業員はとても大切な存在です。少し悪い言い方に聞こえるかもしれませんが、経営者の目指すところを実現していくためには、必ず従業員の力が必要だからです。

 

このため、成長発展を目指すならば、経営者自らの実力向上と同時に、必然的に欠かせないのが従業員の成長であるということは言うまでもありません。

 

新事業の立ち上げにあたり、夜、風呂で本を読んでまで勉強してくる社長もいるほど。そんな中、読めば分かるだけの知識さえも身につけずに会議に臨まれたならば、社長の逆鱗に触れるのは当然のことといえるでしょう。

 

企業の成長発展…その前に、少しだけお伝えしておかなければならないことがあります。それは、日本企業の人材育成の特異性についてです。

 

欧米のみならずアジア諸国など多くの国では、能力を高めることはビジネスマン自らが取り組むべきことと認識されています。そのため、多くのビジネスマンが、キャリアアップ、所得アップを目指して、自ら能力開発に取り組みます。

 

これとは逆に、日本は一旦会社に入ってしまえば、能力開発に取り組む人が少ないといわれています。アジア諸国を対象としたとある調査では、自己啓発に取り組んでいない日本人の割合が半分近くいるという驚愕の結果が報告されています。

 

みなさまの周りは、いかがでしょうか。ビジネスマンの約半分が本さえ読まない。それが日本の現状なのです。

 

一方で、これは日本では従業員の能力開発が企業内で行われてきたことの証左であると解釈することもできます。

 

日本的経営の「三種の神器」が、終身雇用、年功序列、企業別組合とされてきたように、会社が従業員の諸々の面倒を見る。そういう文化の中で、日本は世界で最も企業が人材育成を担う国になっているのです。

 

少し話はそれましたが、こういった日本企業の特異性、企業文化、労働観ということを前提として企業の成長発展とは何か…ということを考えてみていただきたいのです。

 

そうすれば見えてくることがあるはずです。御社の成長発展は、必ずそこで働く従業員の成長を伴っているということです。

 

これを逆から見るならば、折角、釜の飯を同じくする従業員の成長の可能性を活かしていくためには、企業は自ら高い目標を掲げ、重負荷を負い、成長発展を目指していかなければならないことを意味しています。

 

難しい話をしているのではありません。仮に成長発展を目指さず、今の能力でできることで給与程度を稼いでいければそれで良いではないかという経営思想があったとするならば、それは、従業員の成長など期待せず、オレが食べていければそれで十分だと言っているに等しいということです。

 

従業員の可能性、能力を高めることの悦び、もっと人の役にたてる自分…、そういった従業員の成長ある未来を潰さないためにも、経営者は自ら先頭に立ち、成長発展の旗を掲げていくことが大切です。

 

従業員の成長ある未来を信じていますか?

その可能性を信じて新事業に取り組んでいますか?

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