【第153話】売上・利益を伸ばす“新しい”の創り方

販売を伸ばそうと考えるならば、何らかの“新しい”を準備することが欠かせません。

 

ビジネスを伸ばそうと考えている経営者であるならば、何らかの“新しい”に対する渇望があるものです。

 

ですが、売れる・儲かるにつながる“新しい”には、とても大切な条件があることにお気づきの方は2割程と感じます。

 

この“新しい”の構図に対する気づきは、その他大勢から抜け出し、御社独自の豊かな成長発展を実現していくための必須条件といえるでしょう。

 

“新”事業の構築、“新”製品の開発…においては、文字どおり“新しい”を創るために、我々は日夜奮闘しています。

 

そんな中で、「新しいんだけど、新しくない」ご相談をお受けして見えてきたことがあります。

 

お聞きしたアイデアをここでお伝えすることはできませんので、例えばの話とすれば「新銘柄米で作ったチャーハン」といった筋のアイデアです。

 

確かに“新しい”要素を含んではいますが、こう言われたとして果たして「欲しい」と感じますでしょうか?

 

なぜ、“新しい”のに「欲しい」と感じないのでしょうか。そこに重要なポイントが隠されています。

 

多数の事業アイデアをお聞きする中で、売れない・儲からない経営に共通しているのは、お客様を分かっていないという点です。

 

そんな教科書的なこと言われても…、というご意見が聞こえてきそうなので、ここではもう少し掘り下げてお伝えするならば、「お客様が持っている『常識』を分かっていない」ということです。

 

お客様は何をもって、どんな基準で“新しい”と感じるかということです。それは何を隠そう、ご自身の持つ『常識』という基準と比べているということです。

 

前述のチャーハンの場合、チャーハンは炒め方が肝だという『常識』の軸が分かっていません。ですから、例えお米の種類が“新しい”であっても、お客様の考える『常識』軸と訴求がズレているのです。

 

一方で例えば、「油が体に悪い」という『常識』が形成される下で、「油で健康に」と聞けば、「もう少し話を聞かせて」が期待できるということです。

 

排気量50ccの原付バイクが小さいという『常識』の中で、「端的に大きい原付バイク」は売れるし、それが『常識』となった後には「端的に小さい原付バイク」も売れるのです。

 

つまり、お客様が自分たちにとって“新しい”と感じるのは、お客様が持つ核となる『常識』部分が更新された時だということです。

 

強いアイデアやコンセプトとは、『常識』に対する振れ幅であり、ビジネスを仕掛けるという醍醐味は、「売れそうなものを探す」といった、今の『常識』に便乗させていただくといった発想ではありません。

 

便乗して商売を創ろうとする社長は自分の知らない売れそうな商売のネタ探しに明け暮れます。反対に、ご自身で商売を創ろうとする社長はお客様の『常識』超えに黙々と挑戦します。

 

ビジネスを仕掛ける側にいる我々にとって、目指す“新しい”とは、お客様が持つ『常識』を超えていくことへの挑戦です。商売の価値基準を他人に依るか、自分で創るか…、似て非なる結果がもたらされることは自ずと明らかです。

 

次なるビジネスの出発点は『常識』を超えていくことであり、「売れる・儲かる」は、社長、経営者、プロジェクトリーダー…が、そのビジネスの核となる価値を高め更新したことに対するご褒美だということに思いを馳せておくことが肝要です。

 

御社の“新しい”はどんな『常識』の更新を目指していますか?

その『常識』は核となる価値部分で勝負していますか?

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